去年1月、東京・狛江市で高齢の女性が死亡した強盗致死事件。JNNは、「ルフィ」を名乗る男らと同時期に収容所にいた女がグループの犯行当時の状況を詳しくまとめた手記を入手しました。
これは、「ルフィ」と名乗る男が幹部だった特殊詐欺グループで「かけ子」として活動していた山田李沙被告(27)がまとめた手記です。原稿用紙86枚=3万4400字に及びます。
山田李沙被告「今後、日本の犯罪が減るように私も協力したいと思い、事件の事実を書きました」
「事件」とは、去年1月、東京・狛江市で90歳の大塩衣与さんが死亡した強盗致死事件を指します。「ルフィ」を名乗っていた▼今村磨人被告(39)や、▼渡辺優樹被告(39)、▼藤田聖也被告(39)らグループの幹部がフィリピンの収容所から犯行を指示していた様子を山田被告が間近で耳にし、手記にしたためました。
藤田被告は現場の実行役に電話で…
藤田聖也被告「多分、金は地下にあると思う。俺が金を隠すんだったら地下に隠すね。冷蔵庫の裏とか食器のところは?もっとちゃんと探して」
その後、事件が報じられ、被害者が死亡したことが伝わると…
今村磨人被告「マジで?死ぬとは思わなかったんだけど。本当に強盗が原因で死んでいるのか分からない」藤田聖也被告「『あんまりやりすぎるな』って言ったじゃん」渡辺優樹被告「ちょっと、これはヤバいね」
幹部らは「動揺していた」といいます。そして、実行役に指示を出していた携帯電話を破壊し、証拠隠滅に走る様子も…
渡辺優樹被告「磨人(今村被告)、携帯どうすんの?とりあえず壊すしかないよね」藤田聖也被告「とりあえず携帯はリセットするしかないっしょ」今村磨人被告「とりあえず電子レンジで壊してみる?」
さらに、「犯罪収益」について、今村被告は…
今村磨人被告「奪ったお金は全部、俺の口座に入れたんだよね。警察が俺の口座を調べているっぽいんだよ」
今村被告らはこうした犯罪収益をもとに収容所の職員に賄賂を送っていたとみられ、携帯電話を使うことなどが黙認されていたといいます。
山田被告は自身が「かけ子」として関与した特殊詐欺について、こう記しました。
山田李沙被告「私は毎月2000万円から5000万円の売り上げをキープしていました。この場所で認められて、本当に嬉しかった」
山田被告は求めがあれば、目撃した一部始終を今村被告らの裁判で証言する用意があるといいます。
手記は、特殊詐欺に手を染めようとしている人らに向けたメッセージで締めくくられていました。
山田李沙被告「簡単、ラク、楽しいと思い、大勢の人が詐欺グループに入っています。いずれ更生をしないといけない時は絶対にきます」
ルフィグループによる数々の事件に自らも加担していた山田被告。東京地裁はきょう、東京・足立区の住宅から金品を奪おうとした強盗予備などの罪で、懲役1年2か月の実刑判決を言い渡しました。