札幌近郊では火事が相次いでいて、特に札幌市内では今年に入ってから火事の発生件数と死亡者が急増しています。
命を守るために必要な備えについて取材しました。
炎が勢いよく吹き上がり、住宅を完全に飲み込んでいます。
3日に江別市では2階建ての住宅が全焼する火災が発生しました。
(撮影者)「勢いが強すぎる。相当だよ」
先月27日に札幌市のマンションで起きた火災では、火元に住む42歳の男性が死亡しました。
札幌では今年に入って火災が急増しているといいます。
(札幌市消防局予防課 山梨真紀さん)「特に死者火災が急増していまして、非常に多い状況となっています」
札幌市消防局によりますと、今年に入ってから3日までにすでに81件の火災が起きていて、過去5年平均の63件と比べても増加しています。
出火の主な原因は、電気設備やコンロ、ストーブです。
特に火災での死亡者数は8人と、去年より7人も増えています。
死亡火災にはある共通点があるといいます。
(札幌市消防局予防課 山梨真紀さん)「早朝に出火するケースが多くなっています。皆さん寝ているので気づきにくかったというのも考えられますし、住宅用火災警報器が取り付けられていなかったということもありますので、気づかず逃げ遅れてしまったということが考えられます」
いち早く火災に気づくために備えておきたいのが「火災警報器」です。
設置するだけではなく定期的な点検が必要です。
(札幌市民防災センター 野村政司さん)「ボタンがあって押していただくと」
点検用のボタンを押すと警報器の状態を確認することができ、半年から1年に一度の頻度で行う必要があります。
命を守るために併せて確認しておきたいのが、避難する際の注意点です。
市民防災センターでは、煙のなかを想定した避難体験ができます。
(鷲見記者)「煙を吸わないよう口元にハンカチを当てて進みます」
煙は上に登っていくため、避難する際は姿勢を低くします。
視界が悪いときも壁に沿って進んでいくと出口を発見しやすくなります。
(札幌市民防災センター 野村政司さん)「火災警報器の設置をして早期の発見に努めるなど、当たり前のことをきちんとしていただいて、火災の予防に努めていただけたら」
札幌で急増している死亡火災。
命を守るためにも、火災が起きた際にいち早く気づける備えが重要です。