昨年、一律に中止要請を出して混乱した埼玉県営プールでの水着撮影会について、県公園緑地協会が新たなルールと、詳細な留意点を示す手引を策定し、5日に公表した。撮影会の主催者に対し、18歳未満の青少年の出演や入場を禁止したり、外から撮影会場が見えないよう 遮蔽 を求めたりすることなどが柱だ。4月以降に県営プール3施設で開催される撮影会に適用される。
新ルールと手引は、有識者らでつくる検討会の提言をもとに策定。従来のルールにはなかった「18歳未満の出演と入場の禁止」を明記し、主催者は、出演させない旨の誓約書を公園管理事務所に提出する。手引では、運転免許証などで出演者や入場者の年齢を確認することも求めている。
服装やポーズについては従来よりも具体的な記述を加え、手引では水着の形状ごとにイラストと数値基準を示し、「底辺と高さが各10センチ以上の三角形の水着とする」などとした。
問題が見つかった場合、公園管理事務所は主催者などに是正を口頭で注意し、従わなければ書面で勧告する。違反行為の内容や違反回数、注意への対応状況などによっては「翌シーズン以降の開催を認めない」と定め、「乳首や性器が露出する」といったわいせつな行為をやめるよう警告しても応じない場合、撮影会を即時中止させる。
検討会の提言は、県民から寄せられた意見も踏まえて2月にまとめられた。多かったのは「県営公園での開催反対」だったが、同協会は「地方自治法の規定で、正当な理由がない限り、利用を拒むことはできない」としている。
水着撮影会を巡っては昨年6月、過度な露出などが一部の撮影会で認められたとして、同協会がすべての撮影会の中止を要請した。ただ、違反行為のない撮影会まで中止したのは不適当だったとして、その判断を撤回、謝罪した経緯がある。