三菱UFJ信託銀行の行員ら4人の男たちが、横浜銀行から融資金3億8000万円をだまし取ったなどとして逮捕されました。他にも複数の銀行から、約32億円をだまし取ったとみられています。その手口とは――。
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記者
「銀行に対する融資詐欺に関与したとみられる、“銀行員の男”の身柄が警察署に入ります」
5日、警視庁・新宿警察署に続々と入る車から出てきたのは…詐欺などの疑いで逮捕された、三菱UFJ信託銀行の松田大樹容疑者(47)や、不動産コンサル会社社長の藤本優容疑者(31)ら、4人の男です。
警視庁によりますと、2022年、預金残高などを偽造する手口で、横浜銀行からアパート購入のための融資金3億8000万円をだまし取ったなどの疑いがもたれています。
大手銀行・現役行員の松田容疑者(47)は、藤本優容疑者(31)・ 山口俊輝容疑者(26)・ 山口竜生容疑者(32)の3人の不動産コンサル会社の顧客だったといいます。
巨額の“融資詐欺事件”の、巧妙な手口が明らかになりました。
まず、松田容疑者に“詐欺”の話を持ちかけた、藤本容疑者ら3人。
松田容疑者が、横浜銀行にアパート購入のための融資の申請を行います。
このとき、本来、3億3000万円ほどのアパートの価値を高く見積もり、3億8000万円の融資を申請。
そして、対面での融資審査の際には…
松田容疑者
「これだけあります」
そう言って見せたのは、本物の銀行のサイトにそっくりな偽サイト。
そこには、ウソの預金残高などが表示されていて、藤本容疑者らが作ったといいます。
信用した銀行側は、松田容疑者に3億8000万円を融資。
金は、偽装した口座を介して藤本容疑者らの会社に流れ、3人は差額の約5000万円を不正に得ていたということです。
また、松田容疑者は、藤本容疑者らに手数料として約1000万円を支払う一方で、本来、個人で買うことのできないアパート1棟を購入する高額の融資を受け、賃料収入を得ていたとみられています。
現役行員の逮捕について、三菱UFJ信託銀行は…
三菱UFJ信託銀行(松田容疑者逮捕について)
「多大なご心配とご迷惑をおかけしたことをおわび申し上げます。今後、警察の捜査に全面的に協力してまいります」
警視庁は、藤本容疑者ら不動産コンサルタント会社の3人が、同様の手口で、複数の銀行から、約32億円をだまし取った可能性があるとみて詳しく調べています。
(3月5日放送『news zero』より)