今年1月に愛媛・四国中央市のスターバックスコーヒーで職業不詳石川雄一郎さん(49)が射殺された事件で、愛媛県警は5日、殺人容疑で公開手配していた住所不定、特定抗争指定暴力団池田組幹部の前谷祐一郎容疑者(62)を岡山県内で逮捕した。池田組のナンバー2がなぜ自ら手を下したのか?
前谷容疑者は1月14日午後4時ごろ、「スターバックスコーヒーイオンタウン川之江店」で、石川さんの胸を拳銃で数回撃ち、殺害した疑いが持たれている。
県警によると、前谷容疑者と石川さんは2人で来店し、屋外のテラス席に移動し、事件となった。
この事件の最大の謎は、前谷容疑者が池田組のナンバー2である若頭なのに、なぜ自ら職業不詳の石川さんを射殺したのか、だ。
元警察関係者は「組同士の抗争ではなく、個人間のトラブルだったからでしょう。抗争だったら〝鉄砲玉〟として若い衆を使うはずです。組うんぬんは関係なく、あくまで個人と個人のもめ事だったのでしょう」と指摘する。
前谷容疑者は池田組の二次団体である功龍會の会長で、石川さんは以前、功龍會の若頭だった。石川さんは2009年に殺人未遂事件を起こして逮捕された。
「他の組に迷惑をかける事件を起こすなど石川さんはトラブルメーカーで、前谷容疑者は功龍會のトップとして石川さんに重い処分を下したそうです。石川さんは出所後しばらくして功龍會を離脱し、六代目山口組側の組に移籍し、そこも辞めて反社活動を行っていたようです。そして2年前、四国中央市で2人がばったり出会った際にもめ、取り巻きを連れていた石川さんがかつての親分である前谷容疑者に歯向かったそうです」(同)
その時のもめごとが尾を引いていた可能性が高い。
同関係者は「スタバに2人で入ったということは、話し合いをするためであり、話し合いが決裂したので、テラス席に移ったと思われます。そこが一般人に流れ弾が当たらない場所だったということかもしれません」と話している。
前谷容疑者は5日朝、関係先となっている岡山・倉敷市の住宅で、1人でいたところを愛媛県警が発見し、逮捕した。黙秘しているというが、室内からは拳銃や実弾とみられる物も押収され、犯行に使われたものかどうかを調べている。