全国で相次いだ広域強盗事件に「ルフィ」などと名乗る指示役の一人として関与したとされる渡辺優樹被告(39)=強盗致死罪などで起訴=について、警視庁捜査2課は7日、タイを拠点にした特殊詐欺にも関わったとして、詐欺や窃盗容疑などで再逮捕した。渡辺容疑者はフィリピン拠点の特殊詐欺に絡み、これまでに計7回逮捕されていたが、タイを拠点とする特殊詐欺での逮捕は初めて。
再逮捕容疑は2017年8月、何者かと共謀し、新潟県の70代女性に警察官を装い電話をかけ、「口座から預金が下ろされている」などとうそを言い、キャッシュカード2枚をだまし取り、現金約40万円を引き出し盗んだとしている。捜査2課は認否を明らかにしていない。
捜査2課によると、渡辺容疑者は16年1月以降、タイと日本を行き来していたとみられる。タイ中部のリゾート地・パタヤに複数の拠点を設け、十数人規模の詐欺グループのリーダー格だったとされる。警視庁はグループによる被害を計35件確認しており、被害額は計約5000万円に上るという。
渡辺容疑者は18年12月ごろ、詐欺の拠点をフィリピンに移し、その後に実行役を集めて強盗をさせるようになったとみられる。23年1月に東京都狛江市で住民女性が死亡した事件などに関与したとして逮捕、起訴された。【林田奈々、遠藤龍】