日米両政府は8日、米軍が輸送機「オスプレイ」の運用を全世界で停止していた措置を解除したと発表した。事故原因として「特定の部品の不具合」が判明したとし、「安全対策を講じることで安全に運用を再開できる」と判断したとしている。日本国内での飛行再開は未定で、日本政府は地元への説明などを踏まえ、具体的な時期を米側と調整する。
米軍は、昨年11月に起きた鹿児島県での墜落事故を受け、翌12月からオスプレイの運用を全世界で停止していた。防衛省の発表によると、米側から事故の詳細な情報提供を受け、米軍と陸上自衛隊が保有するオスプレイについて、近く国内での飛行再開を認めることを確認した。飛行再開時期の決定にあたっては、〈1〉予防的点検と整備の頻度の増加〈2〉緊急時の搭乗員の手順の更新――などの安全対策を取り、オスプレイが配備された自治体に説明した上で協議する。
同省は「オスプレイの設計や構造に問題がなかった」としているが、不具合が起きた部品の詳細は公表していない。在日米軍が昨年11月時点で国内に配備しているオスプレイは、横田基地(東京都)の空軍用「CV22」6機と、普天間飛行場(沖縄県)の海兵隊用「MV22」24機。