出席を“妨害”している「大物」とは一体誰のことなのか。
自民党派閥の政治資金パーティーの裏金事件を巡り、「説明責任を果たしたい」として、衆院政治倫理審査会(政倫審)に出席する意向を示していた下村博文元文科相(69)。総額約5.8億円の裏金化が報じられた安倍派(清和政策研究会)の元事務総長を務め、「裏金問題の全てを知り得るキーパーソン」として国民の関心が高まったのだが、その後、一部報道で「下村氏は出席しない見通しとなった」などと報じられため、ネット上では《やっぱりヘタレだった》《期待外れもいいところ》といった批判の声が続出した。
すると下村氏は7日に更新した自身のX(旧ツイッター)で、《一部報道で、私自身が政倫審出席を見送るようにとられかねない記事がありましたが、私の意思はまったく変わっておりません》と投稿。党本部で記者団の取材に応じた際も、「私は出る意思はある。党から『出るな』という話も出ていない」と改めて出席に強い意欲を示した。
これを受け、SNS上では、《政倫審に出る出る詐欺か》《時間稼ぎが狙いではないのか》といった声も漏れ始め、立憲民主、日本維新の会、共産各党の政倫審幹事らは7日、政倫審への出席意向を確認する文書を下村氏に送付する異例の展開となった。
「志のある議員」がせっかく「出席したい」と名乗りを上げたのに…
政倫審は委員の3分の1以上の「申し立てがあった場合」か、もしくは不当な疑惑を受けたとする「議員本人が申し出た場合」に開かれる。つまり、出席に意欲を見せている下村氏「本人」が申し出ればすぐに開かれても不思議ではないのに、なぜ、これほど時間がかかっているのか。
さらに不思議なのは、衆院政倫審に真っ先に出席した岸田文雄首相(66)が“静観”していることだろう。なぜなら、岸田首相は自身が出席を決めた際、こう発言していたからだ。
「私自身が自民党総裁として政倫審に自ら出席し、マスコミオープンのもとで説明責任を果たさせていただきたいと考えた(略)政治の信頼回復に向けてぜひ、志のある議員に政倫審をはじめ、あらゆる場で説明責任を果たしてもらうことを期待している」
総理総裁の姿にならって「志のある議員」がせっかく「出席したい」と名乗りを上げたのだから、岸田首相がやるべきことは「ぜひ、説明責任を果たしてほしい」として政倫審の開催を強く促すことではないのか。
このため、SNS上ではこんな“憶測”が飛び交っている。
《下村氏の出席に歯止めを掛けているのは、実は岸田首相ではないのか》
《安倍派幹部から「下村氏を出すな。認めるな」とくぎを刺されている岸田首相の姿が想像できる》
これ以上、政倫審の出席をめぐって長引くようであれば、下村氏は再び会見を開き、すべてを明らかにした方がいい。