「人生崩れた」 西山ファーム投資詐欺事件の被害者、元代表に憤り

愛知県警は近く、潜伏先のインドネシアで警察当局に拘束された観光農園経営会社「西山ファーム」(岡山県)の元代表取締役、山崎裕輔容疑者(43)を日本へ移送し、詐欺容疑で逮捕する。西山ファームの転売事業に出資して被害に遭った男性会社員(33)=名古屋市=は「捕まらないと思っていたので驚いた。この4年間どこで何をしていたのか、被害者のことをどう考えているのか。聞きたいことはたくさんある」と憤りを隠さない。
2018年5月、同僚から山崎容疑者の仲間とみられる男性を紹介された。半年後、市内のビルの一室で引き合わされたのが山崎容疑者だった。「高そうなスーツを着こなし、堂々としていた」。西山ファームの投資スキームや手掛けた投資事業を説明しながら「投資でお金を増やせたら、みんなが幸せになれる。その手伝いをしている」と熱弁を振るったという。
持ちかけられたのは、果物の海外転売事業への出資。指定の通販サイトからクレジットカードで商品を購入すれば、数%上乗せして返金すると言われた。
指示に従い、複数のカードで月に最大200万円分の商品を購入した。負債額はあっという間に約800万円に膨らみ、「保証金」を含めて約1100万円を失った。返済に追われてマンションの部屋を退去し、自動車のローンも払えなくなり自己破産した。
「人生が崩れた。『幸せになる手伝いをする』と言われたのに、今は正反対の人生を送っている。真実を話し、謝罪してほしい」と訴えた。【森田采花】

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