「産声あげることなく小さな命が失われた」赤ちゃんを浴槽で出産し殺害した罪 28歳母親に懲役5年6か月の判決さいたま地裁

自宅アパートの浴槽で出産直後の赤ちゃんを窒息死させ、自宅に遺棄した罪などに問われた28歳の母親に対し、さいたま地裁は懲役5年6か月の実刑判決を言い渡しました。
埼玉県川越市の無職・斉藤真悠被告(28)は2021年8月、自宅アパートのお湯を張った浴槽で男の子の赤ちゃんを出産し、そのまま引き上げずに窒息させて殺害した罪と、赤ちゃんの遺体をおよそ1か月間、自宅のクローゼットの中に遺棄した罪などに問われています。
これまでの裁判で斉藤被告は「死産の可能性がある」と述べ、殺人の罪について無罪を主張していました。
きょうの判決で、さいたま地裁は「赤ちゃんに死産と思われる所見はなく、赤ちゃんは生きて産まれ、斉藤被告は殺意を持って殺害した」と殺人の罪が成立すると認定しました。そのうえで、「産声もあげることなく、小さな命が失われた結果は重い」「母親として、子の命に向き合わなかったのは強い非難にあたる」と指摘しました。
一方で、「斉藤被告は一人で出産していて、父親にも責任があり、被告のみを責められない」として、検察側の懲役7年の求刑に対し、懲役5年6か月を言い渡しました。
黒いスーツで出廷した斉藤被告は、無言で真っ直ぐ前を見据え、じっと判決を聞いていました。

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