《高級時計を他人に貸して稼ぐはずが…》解散した「トケマッチ」元代表を指名手配 逃亡先はガーシーと同じトハイ「計画的な『トンズラ』の可能性が高い」

自宅にしまい込んだ高級時計を他人に貸して「運用」する。そんな謳い文句で全国からロレックスやオーデマピゲなどを集めたまま解散を発表した高級時計シェアサービス「トケマッチ」。警視庁は6日、運営会社元代表、小湊敬済(たかずみ)こと福原敬済容疑者(42)について業務上横領の疑いで逮捕状を取得し、指名手配したと発表した。
「2021年にサービスを始めたトケマッチは、手元にあっても毎日腕に付けるわけではない高級時計コレクターの期待に応えて瞬く間に事業を拡大しましたが、今年1月末に突然、終了。全国で被害相談が相次ぎ、警視庁がいち早く逮捕状取得に踏み切りました」(警視庁担当記者)
なかには月100万円以上の預託料を得ていたオーナーもいたが、大量の高級時計が返却されないまま、預託料の支払いも止まった。
「計画的な『トンズラ』の可能性が高まっています」
「トケマッチは昨年末、時計を預ければアマゾンギフト券を送るキャンペーンを展開したが、ギフト券が付与されるはずだった今年1月末に解散を発表。運営会社のあった大阪市のマンションでは、解散発表の少し前から大量のゴミが出され、複数の高級時計が質屋などに売却されていたことも判明しました。計画的な『トンズラ』の可能性が高まっています」(同前)
逮捕状の容疑は昨年末に預かったロレックスを大阪府内の古物商に65万円で売却して横領した、というもの。警視庁はその先を見据えているという。
本人はガーシーと同じドバイへ逃亡。逮捕の見込みは?
「福原はサービス開始から1年あまりの22年には早くも顧客の高級時計をオークションサイトに出品。詐欺容疑での立件を視野に捜査は進んでいます。高級時計はシリアルナンバーもあって足取りをたどりやすく、証拠も続々と集まりつつありますが、問題は本人が国内にいないこと」(同前)
福原容疑者は解散発表の当日、幹部とともに中東・アラブ首長国連邦(UAE)のドバイに出国。当地で在留ビザも取得したといい、身柄確保の見通しは得られていないようだ。
ドバイ、と聞いて浮かぶ逃亡者の筆頭は、かの地を拠点に芸能人の暴露話を拡散し、常習的脅迫などの罪で東京地検に起訴されたガーシー(本名・東谷義和)被告(52)だろう。
捜査関係者は「ガーシーだけでなく、ドバイには電力会社を巡る横領事件の関係者なども逃亡。日本人コミュニティーもあり、暮らしやすいのだろう」と説明する。ただ、ガーシー被告は結局、ドバイから出国させられ、逮捕されている。
「国際刑事警察機構(ICPO)総裁はUAE出身。警視庁がICPOを通じて国際手配をすれば無視はできないのではないか」(同前)
ドバイはもはや犯罪逃亡者にとっての「楽園」ではない、と示せるか。
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2024年3月21日号)

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