能登半島地震の被災地でボランティアが長時間活動できるようにと、登山家の野口健さん(50)が代表を務めるNPO法人「ピーク・エイド」や岡山県総社市などが、ボランティアが宿泊するテント村を石川県七尾市に設営した。
被災して使用できなくなっていた同市の城山運動公園の野球場に、寄付を生かしてテント100張りを用意した。24日に「入村式」があり、野口さんは「宿泊地がなく、毎日金沢と被災地の往復で作業時間が確保できないと聞いていた。多くの人に来てもらい活動が広がってほしい」とあいさつ。七尾市の茶谷義隆市長は「非常に感謝したい。ここで寝泊まりして長時間活動していただけると、復旧作業が加速度的に進むと考えている」と歓迎した。
野口さんは発災直後から、もともと親交のあった総社市などと連携して寝袋の寄付を募って被災者に送り、自身もたびたび現地入りしてきた。その中でボランティアの活動が十分にできていないという声を聞いて七尾市などと調整してきた。
初日に茨城県日立市から「入村」したボランティアで高校教師の割貝(わりがい)隆仁さん(63)は「地元の水害では全国から来たボランティアにお世話になった。ここを拠点に恩返ししたい」と話した。2泊して七尾市内で活動する予定だという。
一つのテントに2人が宿泊可能で、寝袋やランタン、女性用防犯ブザーも貸し出す。石川県のボランティア登録とは別に、総社市のホームページから募集している。【平塚雄太】