26日に発表された宮崎県延岡市議会事務局の人事異動(4月1日付)で、読谷山洋司市長と松田満男議長が、役職定年に伴って空席となる事務局長の後任ポストを巡り、それぞれ別の人物を充てる人事を内示する事態が起きた。
地方自治法138条では、議会事務局長の任免権は議長にあると定めている。松田議長は同法に基づき、同事務局次長の50歳代男性を部長級に昇任させた上で、事務局長に就任させる内示を行い、同事務局が26日、発表した。
病気療養中の松田議長に代わり、取材に応じた早瀬賢一副議長は、事務局長ポストに3代続けて次長が就任していると説明。市議会で市提案の予算案を巡って再議となったり、市職員の不祥事に関して百条委員会が設置されたりしたことなどに触れ、「イレギュラーな議会運営が続いており、ノウハウを持った職員は必要。至極当たり前の人事だ」と話した。議長は昨年12月、この人事に関する自身の考えを市長側に伝え、今月には議長名で文書も提出していたという。
これに対し、読谷山市長は部次長級の農林水産部副参事の50歳代男性を部長級に昇任させた上で、議会事務局長に充てる内示を行い、市が26日に発表した。同日の定例記者会見で読谷山市長は、議長が局長に昇任させる内示をした次長について、部次長級より下の課長級であるとし、「勤務年数と勤務成績の関係で、(2段階上の)部長級とはならない」と主張。地方自治法の別の条文を示し、「職員全体の人事の中で職位や給与を決めていく必要がある」と述べた。
読谷山市長は事務局長の任免権は議長にあることを認めた上で、議長名で提出された文書については「(病気療養で)議長不在なのに議長名で公印が押されており、 捏造 だと思う」と述べた。今後、議長側の見解を聞く考えも示した。
市長の市政運営を巡っては、最大会派の自民党系会派との対立が続き、空飛ぶクルマの実用化など複数の予算案が認められず、市長が再議を申し立てるなどの事態が起きている。