昨年2月に死去した横路孝弘・元衆院議長が、1972年の沖縄返還に関する外務省の機密公電を入手した経緯が明らかになった。衆院が29日、横路氏へのインタビュー記録を公開した。
横路氏が72年3月に行った国会質問をきっかけに、元毎日新聞記者の西山太吉氏(故人)が逮捕され、「西山事件」に発展した。
横路氏は、衆院予算委員会での質問の直前に機密公電のコピーを入手したと証言した。相手は「私もよく知っている友達」と述べつつ、「新聞紙上で明らかにするともっとインパクトが強かったかもしれないが、国会で(質問するべきだ)ということなんだろう」とも語り、新聞記者である可能性を示唆した。
西山氏自身は、著書「西山太吉 最後の告白」(集英社)で「後輩記者を通じて横路に資料を流した」と明かしている。
また、西山氏が逮捕されたことについて、横路氏は「新聞記者が弾圧の対象になるなんて考えなかった」と批判した。