小林製薬「紅麹」被害、海外にも拡大か 死者は計5人に 台湾の女性に急性腎不全の診断 中国でも警戒、一時検索ランク1位に

29日午後には記者会見
小林製薬が製造した「紅麹(こうじ)」を使った機能性表示食品のサプリメントによる健康被害が確認された問題で、摂取と関連が疑われる死者は計5人となった。同社は29日午後には記者会見を開き、小林章浩社長が死亡事例の調査状況を説明する。問題は国内に留まらず、台湾や中国にも拡大している。
同社は29日、新たに1人の死亡を確認したと発表した。腎疾患で死亡した人が生前に同社製造の「紅麹コレステヘルプ」を使っていたと遺族から28日に連絡があったという。
28日に判明した2人の死者うち、1人は紅麹コレステヘルプを摂取した後に腎疾患の症状が出ていた。もう1人も2021年以降に同じサプリを使用していたという。同社は紅麹原料を企業に販売しており、全国で商品を自主回収する動きが続いている。
台湾の業者が小林製薬の紅麹を原料に製造したサプリを摂取した台湾の70歳女性が昨年、急性腎不全と診断されていたと現地メディアが伝えた。台湾当局は、小林製薬が使用中止を呼びかけたサプリと同じ紅麹原料を台湾の業者2社が輸入していたとして業者に回収を指示している。
中国大陸では、小林製薬が自主回収対象としている「紅麹コレステヘルプ」など3製品は販売されていないが、ネット通販などで購入した消費者もいるという。同社の中国現地法人は通販などで流通する商品を含めて自主回収に積極的に協力すると中国の通信アプリに投稿した。中国のSNSで一時「小林製薬」が検索ランキング1位となるなど関心は高く、28日の同社の株主総会には中国国営放送のリポーターの姿もあった。
健康被害を引き起こしたのは想定と異なるカビ由来の成分の可能性も指摘されているが、原因の特定が急がれる。

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