2日午前4時24分ごろ、青森県と岩手県で最大震度5弱を観測する地震が発生した。震源地は岩手県沿岸北部で、震源の深さは約71キロ。地震の規模はマグニチュード(M)6・1と推定される。岩手では周期の長い大きな揺れである「長周期地震動」も観測した。高層ビルの多い首都圏や関西圏など都市部で同様の現象が生じた場合、大きな被害につながることもある。
地震の影響で、青森県八戸市の70代女性がベッドから落ち、左手首を負傷して病院に搬送された。東北沿岸では、先月15日にも福島県で最大震度5弱(M5・8)の地震があった。
今回の地震で観測された長周期地震動は、強さの程度によって1から4の階級に分かれており、今回は「室内で大きな揺れを感じ、物につかまらないと歩くことが難しい」階級2だった。高層ビルの場合、大きく長時間揺れ続け、被害が出る可能性がある。
災害史に詳しい立命館大学環太平洋文明研究センターの高橋学特任教授は「建物の高層階を前後左右に10メートル程度揺らすなど、観測された震度とは無関係に大きな揺れを体感することもある。オフィスなどでは大型の備品が動いたり倒れたりすることでけがをする恐れがあるため注意が必要だ」と指摘した。