「雷警報」はなぜ存在しない? 注意報でも気をつけるべきポイント

宮崎市の高校のグラウンドで3日、練習中のサッカー部員ら18人が搬送された落雷事故。事故当時、周辺では激しい雷が発生したとみられるが、出されていたのは「雷注意報」だった。なぜ「雷警報」ではなかったのだろうと思いがちだが、実は「雷警報」はそもそも存在しないのだ。
気象庁や福岡管区気象台によると、災害の発生を予測して出される「注意報」には大雨▽洪水▽強風▽風雪▽大雪▽波浪▽高潮▽雷▽融雪▽濃霧▽乾燥▽なだれ▽低温▽霜▽着氷▽着雪――の16種類がある。
一方、重大な災害が発生する恐れがある場合に出される「警報」は大雨(土砂災害、浸水害)▽洪水▽暴風▽暴風雪▽大雪▽波浪▽高潮――の7種類に限定される。このほか、危険度の高まりなどに応じ、特別警報や早期注意情報もある。
同気象台によると、大雨といった注意報と警報の両方が存在するものは、災害の規模によって差が付けられる。これに対し、雷の場合、地上に落ちること自体がかなり珍しく、規模を事前に把握することもできないことから、警報が存在しないという。
雷注意報は、雷が発生すると予測される数時間前に発表される。そこで参考になるのが、雷の「活動度」が分かる気象庁の「雷ナウキャスト」で、気象庁のホームページで確認できる。
活動度は4段階に分かれており、1が最も低く、4が最高。1以上なら1時間以内に雷が発生する可能性があり、2~4では既に積乱雲が発生し、いつ落雷があってもおかしくない状況といい、気象庁は直ちに建物の中など安全な場所へ避難するよう呼びかけている。【池田真由香】

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