作家の乙武洋匡氏(48)が8日、東京都内で記者会見し、衆院東京15区(江東区)補選(16日告示、28日投開票)に無所属で立候補すると正式に表明した。
乙武氏は「政治が助けるべき人を助けておらず、むしろ苦しめている。サポートを受ける重要性を誰より実感してきた私だからこそ、政治によって人々をサポートしたい」と出馬への思いを語った。
乙武氏をめぐっては、小池百合子都知事が先月29日の定例会見で、自身が特別顧問を務める地域政党が設立した「ファーストの会」から擁立する意向を明かし、同氏の「ファーストの会」副代表就任も発表されていた。
だが、乙武氏は「政治に希望が失われている状況をリセットしたい。まっさらな状態で政治をしていきたい」と述べ、「ファーストの会」の公認を受けないとした。推薦依頼は出す予定だという。
自公国「支援」模索
自民、公明両党は乙武氏の支援の在り方を検討し、国民民主党も模索しているが、影を落とすのが2016年に明るみに出た不倫問題だ。
乙武氏は会見で「8年前の私生活における出来事は、いま振り返っても恥じ入ることばかり。改めて深くおわびします」と謝罪した。一方で「過去は変えられない」と語り、「どうしたら償うことができるのか、お許しいただくことができるのかと、むしろ私がお聞きしたいぐらい」と話す場面もあった。
「5股不倫」と報じられたことについて「罪が軽減されるわけではないが、5股ではないです。15年間の結婚生活で5人ということで、同時ではないので」と釈明した。
乙武氏は先天性四肢欠損症で、著書「五体不満足」で知られる。22年の参院選には無所属で出馬し、落選した。
東京15区ではこの日、共産党が立候補予定者を取り下げ、立憲民主党が公認する元江東区議の酒井菜摘氏(37)を支援すると発表。選挙戦の構図がほぼ固まった。