自民党が、派閥の人事関与を断つために検討している人事制度の原案が判明した。幹事長ら「党七役」と呼ばれる幹部に対し、代行や代理などの部下を選ぶ権限をそれぞれ付与する。所属議員は人事局のデータベースに経歴や得意な政策分野、党員獲得数などを入力し、希望する複数の役職を自己申告する仕組みとする方向だ。
複数の自民関係者が明らかにした。党七役は幹事長、政調会長、総務会長、選挙対策委員長、国会対策委員長、組織運動本部長、広報本部長を指す。新制度では、党七役がデータベースで希望者の実績や自己PRを確認し、自らを補佐する適任者を選ぶ。党の政策決定を取り仕切る政調会長は、各省庁にほぼ対応する形で設けられている各部会のトップの人事権も握る。
従来の党人事では、複数ある代理ポストなどは派閥ごとの「枠」を設けることが多く、各幹部の人事権は限定的だった。
新制度を巡っては、1月にまとめた党政治刷新本部の中間とりまとめで派閥の人事関与を禁じる方針が明記された。これを受け、同本部の「党機能・ガバナンス強化部会」が近く案を取りまとめる予定で、今夏をめどにデータベースの運用を始めたい考えだ。