九州大学は、福岡県嘉麻市の廃校となった小学校でカブトムシを使った実証試験中に、コバエが大量に発生し、近くの住宅に侵入していたと発表しました。
◆カブトムシの飼育容器からコバエ 約500匹の幼虫飼育 大学によりますと去年12月、嘉麻市の廃校となった小学校で飼育していたカブトムシの幼虫の容器の一つから、大量のコバエが発生しました。 この施設では九州大学農学研究院が、カブトムシを活用してニワトリ用の飼料を生産する実証試験を行っていて、50個の容器で計500匹の幼虫を育てていました。大学はコバエ捕獲器を60個設置して対応しましたが増殖を抑えられず、最終的には全ての飼育容器からコバエが大量発生したとみられるということです。
◆当初は殺虫剤を使用せず 「ちりとりいっぱいのコバエ」 発生当初は、カブトムシの幼虫への影響も考え、殺虫剤を使っていませんでした。 しかし、3月中旬頃に嘉麻市から「近くの住宅にコバエが多数侵入している」と連絡があり、大学は殺虫剤を使ってコバエを駆除しました。駆除されたコバエは、「ほうきでかき集めるとちりとりいっぱいになるほど」大量にいたといいます。殺虫剤の使用後には、新たなコバエは確認されていないということです。
◆九州大学 会見で謝罪「再発防止に取り組む」 会見を開いた九州大学の担当者は「近隣住民の皆様に多大なご迷惑とご心配をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。専門家を含めた第三者による調査委員会を設置し、再発防止に向けた取り組みを行う」と話しています。