政界が「政治とカネ」の問題で揺れるなか、衆院3補欠選挙(28日投開票)は、告示後最初の日曜日をはさみ、各地で論戦が繰り広げられた。3選挙区でいずれも立憲民主党の候補が先行する様相だが、9人が立候補する東京15区では、立憲民主党新人の酒井菜摘氏(37)を、日本維新の会新人の金澤結衣氏(33)=教育無償化を実現する会推薦=や日本保守党新人の飯山陽(あかり)氏(48)らが激しく追い上げているという。岸田文雄政権への〝審判〟となる補選はさらに過熱していきそうだ。
「酒井氏やや先行、金澤氏、飯山氏が追う展開」
共同通信が21日夜に配信した〝最新情勢〟によると、東京15区の情勢は、さらに熱を帯びているようだ。
共同通信は20、21日両日、電話調査を行い、取材を加味して情勢を探ったという。3割弱が投票先未定で、情勢はさらに変化する可能性がある。
支持政党別では、酒井氏は立民、共産党支持と答えた人の7割強を固めたという。金澤氏は維新支持層の5割強に浸透している。独自候補の擁立断念で行方が注目された自民党支持層は、金澤、飯山両氏に割れているという。
一方、小池百合子都知事が特別顧問を務める地域政党「都民ファーストの会」副代表で、無所属として出馬した新人、乙武洋匡氏(48)=国民民主党推薦=は、伸び悩んでいるという。
他の選挙区でも立憲民主党候補が優位のようだ。
3選挙区で唯一、与野党対決の構図となった島根1区では、立憲民主党元職の亀井亜紀子氏(58)が、立民支持層の9割強、支援を受ける共産党の支持層の8割程度を確保したばかりか、自民党支持層の2割強を切り崩しているという。自民党新人の元中国財務局長、錦織功政氏(55)=公明推薦=は自民党、公明党支持層で、それぞれ6割弱、5割程度をまとめるにとどまっているようだ。
亀井氏は無党派層の6割を獲得し、1割の錦織氏に大差をつけるなど自民党の苦戦が如実になっている。
自民党が候補擁立を断念し〝不戦敗〟となった長崎3区では立憲民主党前職の山田勝彦氏(44)=社民推薦=がやや先行し、維新新人の井上翔一朗氏(40)=教育推薦=が追っているという。
【東京15区立候補者】 (届け出順)
福永活也43 諸派新
乙武洋匡48 無新
吉川里奈36 参政新
秋元 司52 無元
金澤結衣33 維新新
根本良輔29 諸派新
酒井菜摘37 立民新
飯山 陽48 諸派新
須藤元気46 無新
【島根1区立候補者】(届け出順)
錦織功政55 自民新
亀井亜紀子58 立民元
【長崎3区立候補者】(届け出順)
山田勝彦44 立民前
井上翔一朗40 維新新