神戸市の病院で医師が自殺したのは、長時間労働が原因だったなどとして、遺族が病院側を訴えた裁判が始まり、母親は、病院側の対応が「悲劇を招いた」と意見を述べました。
医師の高島晨伍さん(当時26歳)は「甲南医療センター」(神戸市東灘区)に勤めていたおととし5月に自殺し、直前の1ヵ月で200時間を超える時間外労働があったとして、労災認定されました。
遺族は2月、病院側が適切な措置をとらなかったとして、約2億3400万円の損害賠償を求めて提訴。
22日始まった裁判で病院側は、時間外労働について、「病院にいる時間すべてを労働時間とするのは誤り」とし、請求の棄却を求めました。
一方母親は、業務改善の嘆願があったとして、「病院側が改善するどころか隠蔽していたことが、悲劇を招いた」と意見陳述しました。
(母親・高島淳子さん)
「(この裁判は)社会に一石を投じるために、晨伍の使命だと確信しております」
遺族は、医師の働き方改革の重要性を訴えています。