4月に入って2人が逮捕されるなど、鹿児島県警の警察官による不祥事が後を絶たない。県民からは「あきれる」「初心を忘れているのでは」などと、厳しい声が上がる。(渡部優斗、小林未南)
「県民の皆様にご心配、ご迷惑をおかけしていることについて改めておわび申し上げます」。25日に開かれた定例記者会見の冒頭、野川明輝本部長は頭を下げた。
3月には、詐欺事件の被害相談を受けた鹿児島南署の対応を巡り、県公安委員会が「適切さに欠ける」と指導。4月に入ってからは、男性巡査長(49)が地方公務員法(守秘義務)違反の疑いで、男性警部(51)が不同意わいせつ容疑でそれぞれ逮捕された。
「不祥事が続く原因をどう考えるか」という報道陣の質問に対し、西畑知明警務部長は「厳正な調査及び捜査で事件の全容を解明する」と強調。その上で「職員個人の資質の問題で済ませるのではなく、組織として対応すべきだ」と述べた。
再発防止策として、県警は今後、職員に対する職務倫理教養を徹底し、過去の不祥事を題材にした検討会などを実施するという。
県民からは厳しい批判が上がる。
鹿児島南署に詐欺被害の相談をした女性(50歳代)は「相談に行っても相手にしてもらえない上、警察官の逮捕が続くことにあきれる。警察組織全体として信用できなくなってしまう」と不信感を募らせる。
鹿児島市の英会話講師の女性(37)は「警察官として恥ずべきことで、初心を忘れているのではないか。県警幹部らは現場の意見を吸い上げて問題を改善していくべきだ。謙虚な姿勢で仕事を全うしてほしい」と語った。
同市の男性アルバイト従業員(64)は「警察官の中でもきちんとしている人はおり、不祥事が続くのはもったいない。県民の相談を親身に聞いて、真面目に働く姿を県民に見せていくことが大事だ」と話した。