「大阪市は本気で万博を開催する気があるのか」渦巻く懸念 市内路上での禁煙決定も喫煙所設置は民間にカネをばら撒くテンヤワンヤ

2025年4月に開催予定の日本国際博覧会「大阪・関西万博」まで、あと1年を切った。
刻一刻と迫る会期にもかかわらず、建設予定は遅れに遅れ、海外パビリオンに至ってはまさかの「間に合わない」懸念も報じられている。一方で当初1250億円と見積もられた建設費は最大2350億円 にまで膨れ上がっているといい、各所から万博開催への懸念点は噴出するばかりだ。地に足のついていない施策も多く、「そもそも開催する必要があるのか」と、その是非さえ問われている。
例えば、今回の万博のシンボルとして建設が進められているリング状の木造建築物「大屋根」。完成すれば世界最大の木造建築となる。約344億円と高額な建設費用をかけるが、万博後の活用方法は定まっておらず、ただの廃墟を増やすだけとなる可能性がある。
また、会場に用意する40カ所のトイレのうち8カ所は、「デザイナーズトイレ 」だ。しかもそのうち便器数が50~60個という2カ所の大規模な公衆トイレはそれぞれ建設費用が2億円。「高すぎる」と物議を醸している。
クリーンでおしゃれなイメージを打ち出したい理想があるようだが、迷走しているように見える大阪市。そうした懸念点が浮上するなか、大阪市は環境整備の一環として、万博開催に合わせて市内全域の公道や公有地での路上喫煙禁止も検討していることはまだ知られていない。
大阪市内の喫煙所「120カ所あれば足りる」根拠
世間では禁煙・分煙化の流れが強いとはいえ、大阪市のように規模の大きい自治体が市内を「全面禁煙」にするのは初の試みだ。
市では2007年に市路上喫煙防止条例を制定。御堂筋沿いで路上喫煙禁止区域をスタート。その後、段階的に対象エリアを増やしてきたが、喫煙禁止と可能な区域の境目がわかりにくいという指摘は絶えなかった。そうした背景のなかで2022年4月に当時の松井一郎市長が「市内全面禁煙」の方針を示したのだ。
市内の路上を全面禁煙にするのであれば、喫煙所の設置が急務になる。 “喫煙者を締め出すと、かえって路上にポイ捨てが増える”という事例は枚挙にいとまがないためだ。さらに喫煙所の「数」も検討しなくてはならない。
市は、喫煙所の数について「120カ所あれば必要数を満たす」との見解を示しているが、その数の根拠や整備状況について、大阪市環境局に話を聞いた。
「大阪市の昼間人口は308万7000人です。そのうち健康増進計画『すこやか大阪21計画』より喫煙者数を算出すると63万人 。また、市が喫煙者を対象に “よく喫煙する場所”を調査したところ、『路上』『公園・広場』と選択した割合は21.4%でした。

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