在日シンガポール大使館(東京都港区)の元参事官の男性(55)が外交官として在任中の2月、港区の銭湯で男子中学生を盗撮した疑いがあることが2日、捜査関係者への取材で分かった。警視庁は児童買春・ポルノ禁止法違反(製造)や性的姿態撮影処罰法違反(撮影)の容疑を視野に捜査している。外務省を通じて出頭要請する方針。
シンガポール外務省は2日、元参事官は任期を終え4月中旬に帰国したと明らかにした。元参事官は職務を停止されており、盗撮の疑いが持たれていることを自主的に報告していなかった。同省は日本の当局に協力し、容疑が確かめられれば外交特権の放棄も検討するとしている。
捜査関係者によると、元参事官は銭湯の脱衣所でスマートフォンを使い男子生徒の裸を撮影した疑いがある。銭湯側が通報した。
元参事官は駆け付けた警察官に撮影を認め、それまでに撮影したという画像約700枚を削除した。ただ任意同行を拒否し、スマホの提出にも応じなかった。
元参事官は「外交関係に関するウィーン条約」に基づき、出国まで外交官として不逮捕特権を有していた。