熱中症の労災、北海道で昨年は前年の5倍153人…暑さに体が慣れてない5月の発生も

北海道内で2023年、仕事中に熱中症で死傷した人は計153人で、過去最多だったことが、北海道労働局のまとめで分かった。100人以上となるのは統計を取り始めた14年以降、初めて。昨夏の記録的暑さが影響したとみられ、屋内作業での死傷者も目立った。今夏も平年より気温は高くなる見通しで、同局が注意を呼びかけている。
死傷者数はこれまで19年の計68人が最多だった。22年は30人で、23年は前年の5倍に増えた。
同局によると、153人の内訳は死亡1人、4日以上の休業62人、3日以下の休業90人。業種別では建設業が48人と最多で、次いで製造業の21人だった。接客・娯楽業でも10人いた。発生状況別では、屋外作業が87人、屋内作業は66人。年齢別では労働者に占める割合の高い40、50歳代が各32人、20歳代が26人と続いた。
同局健康課によると、気温が高い日の屋外の危険性はよく知られているが、屋内作業については見落とされがちだ。高温になる機械の近くやキッチンなどで、長い時間立ち仕事をする場合も体力の消耗は激しく、熱中症になりやすい。昨年死亡した1人も、ボイラー室で作業中の70歳代だった。屋内外問わず、暑さ指数計で周囲を確認しながら作業することが重要で、屋内では冷房の導入も検討する必要があるという。
札幌管区気象台によると、道内では昨年7~9月に過去最長となる44日間連続で真夏日が観測された。今年も6~8月は平年より気温が高くなる見通しだ。
昨年は5月から、ビニールハウス内の作業で熱中症の労災が起きており、同課の担当者は「暑さに体が慣れてない今の時期から熱中症対策をしてほしい」と話している。

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