佐賀県、28年ぶりに転入超過 背景に外国人の増加

総務省が4月に公表した2023年10月1日時点の人口推計によると、県では死亡者数が出生者数を上回る「自然減」が続く一方、県外からの転入者が転出者を上回る明確な「社会増」に転じた。社会増加率は22年が0・00%だったが23年は0・04%。県で社会増となるのは28年ぶりで、300人増えた。背景には外国人の増加などがある。
山口祥義知事は4月の定例記者会見で「県は明確に社会増に転じた。外国人が増えていることが非常に大きい。県は元々外国人のシェアが小さく、人材不足もあるので外国人をしっかり受け入れていく環境を整える」と述べた。
県は外国人の増加以外の要因として、新規高卒者の県内就職率が19年度は60・7%だったのが23年度は67・0%(速報値)と着実に上昇していることなどを挙げている。山口知事は会見で、県立大構想を含む戦略的な人口減対策の重要性を強調した。
人口推計によると、県の人口は約79万5000人で22年に比べ約6000人減った。人口増加率はマイナス0・74%。都道府県別で全国トップの東京都は0・34%で県は17番目。
一方、県の社会増減で日本人は1368人減少したが、外国人は1668人増えた。社会増加率で全国トップの東京都は0・68%で県は20番目。
出入国在留管理庁の統計で23年末の県内の在留外国人は9764人。在留資格別では「技能実習」「特定技能」「留学」が多い。
また、県の子供(15歳未満)の割合は12・9%で沖縄16・1%、滋賀13・0%に次いで3番目に高かった。
人口推計は5年ごとに実施される国勢調査で調べた人口を基準に、出生・死亡届数、都道府県間の転出・転入者数、出・入国者数などの増減を反映させて算出する。滞在期間が3カ月を超える外国人を含んでいる。【西脇真一】

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