娘の内縁夫に「遺体の処分頼まれた」「金も受け取った」…那須2遺体、指示役の容疑者供述

栃木県那須町の河川敷で東京都内の夫婦の焼けた遺体が見つかった事件で、警視庁に死体損壊容疑で逮捕された指示役の男が、夫婦の長女と内縁関係にある会社役員関根 誠端 容疑者(32)(同容疑で逮捕)から「金を受け取り、遺体の処分を頼まれた」と供述していることが捜査関係者への取材でわかった。警視庁は関根容疑者が夫婦との間で何らかのトラブルを抱え、事件を主導したとみている。
警視庁は7日、新たに夫婦と関根容疑者双方の知人で、不動産会社役員の前田亮容疑者(36)(千葉県船橋市前原西)を同容疑で逮捕した。
発表によると、前田容疑者は、関根容疑者や指示役の佐々木光容疑者(28)ら男5人と共謀し、4月16日未明~朝、那須町伊王野の河川敷で千代田区の飲食店経営宝島龍太郎さん(55)と妻幸子さん(56)の遺体に火を付けて損壊した疑い。
宝島さん夫婦は東京・上野周辺で飲食店など十数店を経営し、関根容疑者は夫婦が経営する会社のマネジャーだった。前田容疑者は上野で不動産会社を営み、過去に宝島さん夫婦に飲食店向けテナントの仲介をしたことがあったという。
捜査関係者によると、4月29日に逮捕された佐々木容疑者は当初、「名前も顔も知らない人物から遺体の処分を頼まれた」と説明していたが、その後の調べに「知り合いの誠端さんから頼まれた。金も受け取った」と供述。事件当日の16日朝、関根、佐々木両容疑者が都内で接触していたことも確認されたという。
宝島さん夫婦は事件前日の15日夜、上野で前田容疑者と3人で歩く姿が防犯カメラに映っていた。夫婦はその後、新規出店に伴う物件の内覧のため、前田容疑者が運転するレンタカーで品川区へ移動。途中、JR五反田駅近くで関根容疑者が合流し、一緒に同区内の空き家に向かっていた。
この空き家は前田容疑者の不動産会社の管理物件で、同じ時間帯に実行役の韓国籍、姜光紀(20)、元俳優、若山耀人(20)両容疑者や佐々木容疑者も周辺にいたことが確認されている。空き家の車庫からは複数の血痕が見つかっており、警視庁は関根容疑者らが物件の内覧を口実に宝島さん夫婦を空き家に誘い込み、実行役に暴行させた疑いがあるとみて調べている。
飲食店の運営巡りトラブル

関係者によると、関根容疑者は昨年秋以降、宝島さん夫婦の経営する飲食店の運営を巡り、夫婦とトラブルになっていたという。
夫婦と関根容疑者を知る男性によると、関根容疑者は、夫婦が営む飲食店十数店のうち、焼き肉店やすし店、居酒屋など数店の経営を任されており、宝島さんを「パパ」、幸子さんを「ママ」と呼んでいた。
昨年春頃、男性と夫婦を交えて食事した際、関根容疑者は「いずれは店を継ぎたい」と語っていた。その店で提供された食事の原価率を計算し、夫婦に「これをうちでも出そう」と提案するなど、経営に熱心な様子がみられたという。当時、夫婦も関根容疑者について「娘の婚約者でビジネスを教えている」と話していたといい、男性は「関根容疑者を信頼しているようだった」と振り返る。
一方、上野で飲食店を経営していた別の男性は昨年10月頃、夫婦が経営するイタリアンバルの店内で、関根容疑者が幸子さんから「他店と比べて客が入っていない」「ちゃんと仕事を」と 叱責 される場面を目撃した。別の知人男性によると、今年2~3月頃には飲食店の経営を巡り、関根容疑者と幸子さんが口論になっていたという。夫婦が経営する焼き肉店の男性従業員は「(関根容疑者は)接客が丁寧で従業員からも信頼されていた。一体何があったのか」と話していた。

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