ワクチンと副反応の因果、99%「評価不能」 国が見直しも検討

厚生労働省は、新型コロナウイルスワクチンを含むワクチンの副反応が疑われる症例とワクチンとの因果関係を評価・分類する基準について、専門家による調査研究班を立ち上げ、見直しを含めた検討を進めている。現在は、「評価不能(γ)」などと三つに分類しているが、WHOの関連組織が作成している基準よりも大ぐくりなため、専門家や厚労省内から「分かりにくい」との声が上がっていた。
調査研究班の代表は小児科医の加藤元博・東京大教授。調査研究は23年度から2025年度まで予定されている。具体的な研究内容は、ワクチンの副反応と症例の調査手法や分類、表現ぶりなどとしているが、詳細は明かされていない。
現在、ワクチンの接種後に起きた死亡事例や症例について、国は予防接種法に基づいて、医師や医療機関に副反応疑い報告を求めている。報告を受けた独立行政法人「医薬品医療機器総合機構」(PMDA)で、医師や専門家2人が因果関係を評価する。
ワクチンとの因果関係が否定できなければ「α」、認められなければ「β」、情報不足などによって評価できなければ評価不能の「γ」の三つに分類している。WHOの関連組織が示している基準は、確実に認められる▽おそらく認められる▽認められる可能性がある▽考えにくい▽条件付き・未分類▽評価・分類不能――の6段階に分けている。ワクチン接種後の死亡事例として報告された2195件(4月15日時点)のうち99・4%が「γ」で、別の評価基準に見直すよう求める声が上がっていた。
厚労省は調査研究班の結果を踏まえ、基準の変更や運用の見直しについて検討する方針だ。【金秀蓮】

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