有明海の「のり」の出荷で佐賀県の漁協と熊本県の漁連が生産者の取引を不当に拘束しているとして、公正取引委員会が行政処分を予告したことに対し、両団体が処分の差し止めを求めた裁判で、東京地裁は訴えを却下し、差し止めを認めない判決を言い渡しました。
公正取引委員会は、「有明のり」の生産者が加入する佐賀県の漁協「佐賀県有明海漁業協同組合」と熊本県の漁連「熊本県漁業協同組合連合会」が、加入する生産者に全ての「のり」を漁協や漁連に出荷するよう義務づけ、取引を不当に拘束したとして独禁法に基づく「排除措置命令」を出す方針を固め、通知しています。漁協と漁連はこの命令を不服として、差し止めを求めて東京地裁に提訴していました
きょうの判決で、東京地裁は命令が出されることで漁協と漁連に対し「重大な損害を生ずるおそれがあるとは認められない」と指摘。そのため、「訴えは行政訴訟法の訴訟要件を欠き不適法」として、漁協と漁連が不当な取引をしていたかどうかについて判断することなく、訴えを門前払いの形で退けました。