河野太郎デジタル相は10日、自身のX(旧ツイッター)を更新し、マイナンバーカードの偽造によるトラブルが相次いでいることを念頭に、見分け方などの注意を呼びかけた。
「マイナンバーカードにはさまざまな偽造防止対策が施されており、しっかりそれらを確認いただければ券面の偽造は判別できます。例えば右上のマイナちゃんはパールインキで印刷されており、角度によって色が変化します」と投稿。偽造かどうかの見分け方について、言及した。
偽造したマイナカードが身分証として使われた上で、地方議員のスマートフォンがだまし取られるなどの事件が全国で相次いでいる。河野氏は10日の記者会見でも「目視であっても、丁寧にカードをチェックすれば偽造は見破れる」などと主張。偽造かどうかを見分けるポイントを記した文書を、事業者向けに配布する考えも示した。
ただ、「目視」に言及した河野氏の会見での発言やX投稿には、SNS上で疑問の声が相次ぎ、「偽造マイナ詐欺に注意」は、一時、インターネット上のトレンドワードになった。
SNS上には「目視って…」「『偽造は目視で見破れる』デジタル相のアナログ発言に開いた口が塞がらない」「目視で確認するデジタルカード? バカ言ってるな!」「欠陥だらけのシステムなのに他人事。デジタル庁が責任もって改善しろよ」「デジタル相が目視というアナログな確認をするように呼びかけってコントですか?」など、デジタル化推進の一環でマイナカード取得を呼びかけてきた河野氏が、目視というアナログな手法に言及したことに、批判の声が続々寄せられた。
マイナカードには、氏名や住所などの個人情報が登録されたICチップが搭載されている。河野氏は会見で、このICチップの読み取りが「いちばん確実な偽造対策」とした上で、民間業者の読み取りアプリの利用を奨励する考えを示した。デジタル庁も今後、独自の読み取りアプリを開発するとして、必要な場合は無償提供するとも明かした。