“富士山コンビニ”の黒幕設置に嘆く外国人観光客たち 歩道から撮影できず…今度はコンビニの「駐車場」に人が溢れる状況

富士山の撮影スポットとなっているコンビニの近くに、5月21日、“目隠し”の黒幕が設置されました。 天高くそびえたつ富士山を撮影しようと5月21日も朝から多くの観光客が押し寄せていた山梨県富士河口湖町。多くが外国人観光客です。そのお目当てはというと、富士山とローソンの看板を一緒に収めた写真。コンビニ越しの富士山が“日本らしい”として外国人観光客に人気の撮影スポットとなっているのです。 20日夜にフランスから日本にやって来たという男性も…。 「きょうが最後の日だと知ったのでここに来ました。フェンスの話がフランスのニュースで取り上げられていたので。フランスの新聞にも載っていました」 外国人観光客が殺到する人気スポットとなった一方で、コンビニ周辺で相次いでいた迷惑行為。 (取材班リポート 今年4月)「道路に寝そべって食事をとっています。コンビニエンスストアの駐車場の縁石にもずらりと人が座り込んで食事をとっています。横断歩道はないのですが、今、観光客の方が横断されています。危ないですね」 周辺住民の苦情を受けた富士河口湖町は、注意を促す看板を設置したり、警備員を配備したりしましたが、ほとんど効果はありませんでした。 そして町は5月21日、苦渋の決断として“実力行使”にでました。富士山を見えなくするため、黒い幕の設置工事に踏み切ったのです。 幕は高さ2.5m、幅20mの大きさ。正午前には設置工事が完了して、歩道側からはコンビニ越しの富士山は撮影できなくなりました。幕の設置について外国人観光客からはこのような声が聞かれました。 (フィリピンからの観光客)「私はすごく悲しいです」 (中国からの観光客)「もっと人間的な方法でこの問題に取り組むべきです」 一方、近隣住民は次のように話します。 「車を運転しているんですけど、すぐ目の前を(人が)渡ってきますし、撮影に夢中で車が来たことにも気が付かないでどいてくださらないので。(観光客が多く来るのは)観光で成り立っている町ですからすごく喜ばしいことなので、マナーさえ守っていただければ…」 しかし、幕の設置によってオーバーツーリズム問題に幕を引くことができたのかというと…。 (記者リポート)「目隠しの黒い幕が設置された一方で、コンビニの駐車場には富士山を撮ろうと多くの観光客がカメラを向けています」 歩道から撮影できなくなったため、今度はコンビニの駐車場に観光客が溢れかえっていました。 (韓国からの観光客)「黒幕の設置はとても悲しい。この辺りでキレイに富士山が見える場所だったから」

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