「つばさの党」黒川敦彦代表の“内縁の妻”外山麻貴市議(52)に直撃70分「黒川とのW不倫」「都知事選への獄中出馬」

警視庁は5月17日、政治団体「つばさの党」代表の黒川敦彦容疑者(45)、同幹事長の根本良輔容疑者(29)、同組織運動本部長の杉田勇人容疑者(39)の3人を公職選挙法違反容疑で逮捕した。その2日後の5月19日、黒川と同居する内縁の妻で、つばさの党の朝霞市議、外山(とやま)麻貴氏(52)が「 週刊文春 」の取材に70分にわたって応じ、「黒川とのW不倫」や「都知事選への獄中出馬」などについて語った。
捜査2課が18年ぶりに特別捜査本部設置
黒川ら3人は、根本が出馬した東京15区の衆院補欠選挙で、他候補の演説を拡声器で怒鳴って妨害したり、他陣営の選挙カーを追い回すなどの行為を重ねていた。選挙違反などを担当する警視庁捜査2課は50人体制の特別捜査本部を設置。捜査2課が特捜本部を立てるのは極めて異例で、2006年以来、18年ぶりのことだ。
「警視庁は3人の逮捕に先立ち、5月13日、千代田区半蔵門の党本部や、黒川と外山氏が暮らす埼玉県朝霞市内の自宅マンションなどを家宅捜索しました。警視庁は、現職市議の外山氏についてもキーパーソンと見て、捜査を進めています」(社会部記者)
「YouTubeの収益なんて、供託金の10分の1にしかならない」
黒川らの逮捕を受け、「週刊文春」は外山氏の携帯を複数回鳴らしたものの、応答はなかった。5月19日、自宅マンションから姿を見せた彼女に声を掛けた。
――「週刊文春」です。携帯も鳴らしたのですが……。
「私も携帯とパソコンを警察に押収されて、ちょうど新しい携帯を買いにいくところだったんです」
――黒川さんが逮捕されましたが。
「本当に馬鹿馬鹿しいと思うけど、今回だって(自民党の)裏金はお咎めなしじゃないですか。本当の一番上で、裏金を操ってた人なんか全く咎めもされない。クソみたいな政治家がクソみたいな政治をやってる。つばさの党は、クソみたいな政治やってんなよって、言葉は悪いかも知れないけど、切り込んで行ったわけ。
文春さんも文春砲という形である意味独自の正義をしてるのかもしれませんけど、お金目当てだよねってよく言われるでしょ? 私達もYouTubeの収益目当てでしょって言われる。YouTubeの収益なんて数年前はいざ知らず、今、めちゃくちゃ下がってるんですよ。
うちが数万ぐらいのビューだと、×0.1(円)とかなんで、数万(動画が)回っても数千円ぐらいにしかならない。そんなことで、わざわざ批判しに行く意味ないっていうか。そもそも供託金すら出ませんよ。供託金の10分の1ぐらいにしかなってません。それ以上にお金がかかってる。
お金のためにこんなことやるんだったら、黒川も根本もインテリなんでいくらでも金儲けができるんですよ。でも、今の日本の政治が腐ってるからおかしいじゃないかっていうことを真っ向から言いに行った。そしたら、本来はもっと、論争になると思ってたんですよ」
「また再逮捕再逮捕で勾留ってやってくるんじゃないか」
――どうしても聞いてる人には嫌悪感が。
「私は、だからもう『クソババアとかルッキズムのような言葉は使わないでくれ』と、彼らに言ってたわけです。それだけで耳を塞いで心を閉ざしてしまう聴衆がいるし、相手だって、そんな失礼な態度だとシャットアウトしてしまう。今回も、電話ボックスで喚いてるような動画しか流れないニュースのときは、『何なんだこの人たちは』みたいなコメントばっかりだった。
けど、維新に対して『万博がおかしい』とか、小池(百合子)さんに対して『学歴詐称問題がまた再燃してるけどそれに対してどう答えるんだ』みたいなことを主張しているところを流してくれた報道では、半分ぐらいは賛同するコメントもあった」
「逮捕ごときでビビるタマではない」
――都知事選(7月7日投開票)にも擁立を?
「今回逮捕されたのは乙武陣営に対するやつなんで、他の陣営に対するやつも、また再逮捕再逮捕で勾留ってやってくんじゃないか。まだ決定ではないですけれども、獄中からでも立候補できますし、あからさまに弾圧してくると、私達の支持者も黙ってない。民主主義の危機だとか言ってるけど、こんなことぐらいで逮捕する方が民主主義の危機ですよ」
――黒川さん自身は、逮捕に怯えていたことは?
「いや、私は元々逮捕もあり得るんじゃないかと。黒川は『いや、逮捕はないんじゃない。公職選挙法違反でそこまで踏み込めないだろ』とは言ってました。でも、逮捕ごときでビビるタマではない。逮捕が怖くて権力者を批判する政治活動はやれません。政治犯になることもあり得るという前提で、私もやってますし黒川ももちろんそうです」
いわゆるW不倫みたいな形? 「そうです、はい」
――外山さんが黒川さんと出会ったのは、2017年の加計学園問題の時?
「加計学園問題の前で、安保法(安全保障関連法)が通って、その後(2016年に)北海道5区で補選があった。(民進党などが推薦した)池田真紀さんという方の選挙で、Facebook上で全国から池田さんを応援しようとイベントを黒川が立ち上げた。私も参加して。初めて会ったのは選挙が終わった後、東京でお疲れ様会やったときです」
――黒川さんには元々奥さんがいて、外山さんが略奪した?
「まぁ、基本はそういう形になりますけど、私にも夫がいたんですよ」
――いわゆるW不倫みたいな形?
「そうです、はい。言ってしまえば、奥さんは今治の市議会議員(今治市議の黒川美樹氏)ですね。奥さんは加計学園(の新設)を認めた側なんです。もちろん、奥さんのことをとても大事にしていましたし、子どもも大きいんですよ」
「黒川はおかしなことはおかしいって筋を通してきた」
――お子さんが3人いらっしゃって。
「みんなもう……、既に一番上の子は大きくなってた。奥さんのことを庇っていましたが、奥さんとしてはもう加計学園問題なんて、と。自民党系ではないですけど、同じ(獣医学部新設に賛成する)会派に入って。私も今は排除されましたけど、去年までは、自民党系の最大派閥に入ってたんですよ。そういう中で、自分の主張はぐっと飲み込んで大勢に賛同しなきゃいけないっていう地方議員の立場も分かります。
でも、黒川は加計問題を提起した人間であって、それに対して奥さんは学園を認可した。私もずっと19歳から政治活動してきた。私の元夫も一緒に政治活動をやってきたんですけど、歳を取るにつれ、保守化していく。生活第一みたいになっていく中で、黒川が本当に自分を顧みず危険も顧みず、おかしなことはおかしいって筋を通してきました」
「私とか運転手とかまで逮捕されたら、本当に弾圧だと」
――今回逮捕された3人については、やり過ぎだという想いも?
「こういう政治的な活動していると弾圧を受けるというのは、身に染みている。本当に最悪の場合、逮捕されることもあるし、本当に言葉遣いも気をつけないと。死ねとか言っちゃうと本当に脅しになってしまうので、絶対言っちゃいけないし」
――黒川さんが折れることもある?
「だから私がガンガンガンガン言って、やっと(10のうちの)1ぐらい。『クソジジイはやめて、厚化粧も駄目』って、ずっとずっと言ってますよ。それでようやく、クソババアじゃなくて、BBAになる。私が口を酸っぱく酸っぱく言うことでマイルドになる。黒川とか根本とかのエキセントリックなところは揚げ足取りをされるし、弾圧に利用される。
私は息の長い運動をやるべきだと思う。黒川もずっと総務省とか、いろんなとこに確認しながらやってます。捕まらないように、ギリギリのラインを踏んでいくという思いでやってきた。でも今回、司法としても私は明らかに踏み外したと思う。これで、私とか運転手とかまで逮捕されたら、本当に弾圧だと。私は(つばさの党が)日本保守党に(街宣に)行った日に、(現地に)行ってるだけ。『私達の質問に答えてください』って、カメラを持って地声で質問しました。拡声器とか、ああいうことやったら妨害って言われるだろうから。
政治家に対して質問しちゃいけないってことでしょう? 街角で政治家に対してちょっと『おかしいじゃないか』って言ったら逮捕される。明らかに弾圧でしょ。後世の歴史の教科書にも残るかもしれない。それほど弾圧して、(小池氏の)学歴詐称のことが知られたくないんだなと思いますけど」
5月22日(水)12時配信の「 週刊文春 電子版 」および5月23日(木)発売の「週刊文春」では、外山氏との一問一答のほか、つばさの党の“アジト”への90分にわたる潜入取材、黒川の前妻や実母、同級生、NHK党の立花孝志党首らの証言、黒川が事実上敗訴した1億円借金裁判の中身、黒川の逮捕当夜に警視総監公舎で開かれたパーティなどについて、5ページにわたって特集している。
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2024年5月30日号)

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