秋田県鹿角市十和田大湯の山林にタケノコ採りで入山して遺体で収容された男性について、鹿角署は23日、司法解剖の結果、死因は外傷による失血死の可能性があると発表した。傷は大型動物によってつけられたと考えられるとし、クマによる被害とは断定できなかった。
同署の発表によると、死亡したのは青森県三戸町、無職佐藤宏さん(64)。頭や顔、首や背中、両腕にひっかかれた傷があり、かまれた傷も体中にあった。死後1週間程度が経過しており、佐藤さんが倒れていた近くには、タケノコが入った小袋が落ちていたという。
佐藤さんは、妻らと現場の山林を訪れ、15日朝から1人で入山して行方が分からなくなっていた。18日に捜索中の同署員2人が、佐藤さんが倒れていた近くでクマに襲われて大けがを負った。
佐藤さんの衣服には大型動物とみられる黒い体毛が付着しており、県自然保護課が、個体の識別などに役立てるため、DNA鑑定などを通じて調べる。
鹿角市によると、現場周辺に設置した箱わなには23日夕方時点でクマは捕獲されていないという。