3千万円は「夢の応援」か下心か 紀州のドン・ファン元妻、須藤早貴被告 被告人質問へ

「紀州のドン・ファン」と呼ばれた和歌山県田辺市の資産家、野崎幸助さん=当時(77)=に対する殺人罪などで起訴された元妻の須藤早貴被告(28)が、別の男性=当時(61)=から現金計約2980万円をだまし取ったとして詐欺罪に問われた事件の第3回公判が27日、和歌山地裁(福島恵子裁判長)で開かれる。午前11時に開廷し、被告人質問が行われる予定。被告側は詐欺罪の成立を争っており、本人が何を語るか注目される。
起訴状によると、平成27年3月~28年1月、3回にわたり札幌市の男性から海外留学の準備金名目などで約2980万円を詐取したとされる。
今月10日の初公判で被告は「お金を受け取ったことは事実で(名目について)をついたが(被害男性は)それを分かった上で、私の体をもてあそぶためにお金を払った」と主張した。
これに対し、17日の第2回公判に証人出廷した被害男性は「だと分かっていたら金を払わなかった」と強調。被告に対して「性的な行為を要求したことはない」と反論した。
検察側の冒頭陳述や証人尋問によると、2人は26年秋、被告が美容専門学校に通いながら勤務していたキャバクラで知り合った。
被告は「美容師になりたい。学費のためにキャバクラで働いている。親は学費を出してくれない」と説明。これを聞いた男性は「早貴の夢を応援したい」と学費や生活費などとして金を振り込むようになった。
その後、被告は「美容関係の会社の社長に認められ、海外留学できる」「学校で出場したコンテストでモデルの髪を傷めた」などとをついて計約2980万円の支払いを求め、男性はこれに応じた。
一方、被告は27~28年の2年間だけで、フランスやモルディブ、シンガポールなど7カ国への海外旅行を予約。多額の金が振り込まれたはずの口座の残高は28年12月時点で約6万円だった。
被告は30年2月に「紀州のドン・ファン」と呼ばれた野崎さんと結婚。しかし、野崎さんは同年5月に自宅で死亡した。和歌山地検は令和3年5月、殺意を持って致死量の覚醒剤を野崎さんに摂取させて殺害したとする殺人罪などで被告を起訴した。この殺人事件の公判期日は未定。

須藤被告は詐欺事件当時未成年(19歳)でしたが、殺人という重大事件の被告であることなどを考慮し実名としています。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする