【アテネ=吉沢智美】ギリシャを公式訪問していた秋篠宮ご夫妻の次女、佳子さまは一連の日程を終え、31日、帰国のためアテネの空港から民間機で出発された。英国経由で日本時間の1日午後、羽田に到着される予定。
出発に先立ち、佳子さまは5月30日、滞在していたケルキラ島で観光大臣主催の昼食会にご臨席。その後、民間機でケルキラ島から首都アテネへ移動された。
アテネにある宿泊先のホテルでは、日本で学んだギリシャの元留学生らとご懇談。佳子さまは、アテネ大で日本語を教えているという女性に「指導されるときに工夫されていることは」とご質問。まだ留学生が少ない時代に学んだという男性には、「ご苦労もあったのではないですか」と気遣われた。
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「両国のつながりを実感でき、大変うれしく感じております」
ギリシャ公式訪問の終盤の5月30日、外交関係樹立125周年の記念行事でこう、感想を述べられていた秋篠宮ご夫妻の次女、佳子さま。ご訪問はまさに、両国の長年の絆を確かめ、次世代へつなぐものとなった。
皇室からは、外交関係樹立100周年だった平成11年、常陸宮ご夫妻がギリシャを訪問されていた。今回、佳子さまは当時準備に当たった関係者とも面会し、「ご尽力のおかげで、こういう風につながっていますね」と声をかけ、ご夫妻のお気持ちも伝えられた。
滞在中には、首都アテネからフェリーや民間機を利用し、島嶼部にある修道院や美術館などにも足を延ばされた。著名な観光地だけでなく、ギリシャ国内に残る日本との文化交流の痕跡を一つ一つひもとき、スポットライトを当てられた。
到着したその日から、多くの行事に臨まれた佳子さま。特に大統領を表敬訪問した28日は、首相夫妻との懇談、2件の視察、在留邦人との面会など、過密な日程をこなされた。そうした中でも、ギリシャ語や現地の手話も交え、ご自身の言葉で心を通わせようとされる姿が印象的だった。
「ぜひ、日本に来てください」。旅の後半、日本語を学んでいるという少女から町中で話しかけられた佳子さまは、笑顔でこう、応じられたという。ご訪問は、現地で迎えた多くのギリシャの人々の記憶にも、鮮やかに刻まれているようだった。