札幌市の3つの保育園が職員への給与未払いなどのため、31日で休園し、約40人の園児が転園を余儀なくされることがわかりました。3つの保育園の運営会社は、条例で定められた保育士を配置しないまま、札幌市南区の別の保育園を運営していたとして、市から10か月の事業停止命令を受けています。
休園するのは、中和興産が運営する札幌市の認可保育園「ちゅうわ南郷保育園」と「ちゅうわ清田保育園」、さらに認可外保育園の「ふしみの森めぐみ保育園」です。 関係者によりますと、3つの保育園は給料の未払いや人員不足などで、職員と経営側が対立し、31日で休園することになったということです。 2つの認可保育園だけでも在籍する園児は40人近くいて、札幌市は今後、園児の転園に向けた調整をすすめることにしています。
休園する保育園の元保育士は、これまでのHBCの取材に対し、下記のように人員不足の実態を訴えていました。
<元保育士の女性>
「今は正社員がゼロで、無資格の人とかを入れながら回してる状況だと思います」 (保育士の規定は満たしていた?) 「元々、私が行ったときから満たしてなかったんですよね」 「結局、0~5歳児さんを1つの部屋で見るってなると、やっぱり年齢差があるので、まだ歩けない子と5歳児さんが一緒に遊ぶっていうのは難しいけども、そうするしかない」 「1つの部屋に全員を詰め込むっていうふうになる日が、ほとんどでした」
中和興産は、条例で定められた保育士を配置しないまま、31日で休園する3つの保育園とは別の札幌市南区の保育園を運営していたとして14日、市から10か月(6月1日から)の事業停止命令を受けています。 さらに、在籍していない職員を書類に記載するなどし、助成金を過大請求していた疑いも持たれていて、市や児童育成協会が調査を続けています。