東京・港区長選、前区議の清家愛氏が自公推薦の現職ら破り初当選…自民は目黒区長選に続き敗北

東京都港区長選は2日投開票され、無所属で前区議の清家愛氏(49)が、現職の武井雅昭氏(71)(自民、公明推薦)、元都議の菊地正彦氏(71)を破り、初当選を果たした。投票率は30・62%で、前回選(30・04%)を上回った。当日有権者数は20万617人だった。
清家氏は2日午後11時25分頃、支持者の前に姿を見せた。初当選を確実にし、万歳をして喜んだ後、「皆さんから頂いた期待に応えて素晴らしい港区にしていきたい」と決意を語った。
清家氏は選挙戦で、5期20年続いた武井氏の区政について「組織が硬直化し、教育や福祉の環境改善を求める声が届いていない」と批判。区議を務めた4期13年で待機児童ゼロなどに取り組んできた実績をアピールし、区政の刷新を訴えた。
公約として、保育園と幼稚園の一体的な整備や、教材費の無償化、不登校などの事情を抱える児童・生徒の多様な学びの支援を掲げ、「世界で一番幸せな子育て・教育都市」を実現すると主張した。
選挙戦では、政党や組織からの支援を受けない「完全無所属」の立場を強調し、「港区初の女性区長の誕生」をスローガンに支持を呼びかけた。区内をくまなく回り、応援には森沢恭子・品川区長らが駆けつけた。区政刷新に対する期待感から、同世代を含む無党派層に広く浸透したとみられる。
武井氏は、子育て施策の充実などに取り組んできた5期20年の実績を強調。コロナ禍で選挙活動を自粛した前回選と異なり、精力的な選挙活動で6選に対する理解を呼びかけたが、多選に対する懸念をぬぐいきれなかった。
武井氏を推薦した自民党は、派閥の政治資金規正法違反事件を受けて、4月の衆院東京15区(江東区)補選で独自候補を擁立できなかった。同月の目黒区長選でも推薦候補が敗れ、5月には目黒区の都議補選で公認候補が落選しており、今回も推薦候補が勝てなかった。
菊地氏は「財政の無駄遣いを徹底チェックする」として、浮いた財源で区立スポーツ施設を新設することなどを掲げた。区長選には4度目の挑戦だったが、支持が広がらなかった。

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