他宗派の尼僧?から「取り下げろ」と電話 性被害主張の尼僧、会見で宗教界の閉鎖性訴え

四国にある天台宗の寺の60代の住職から長年、性暴力を受けたとして、50代の尼僧、叡敦(えいちょう)さんが住職らの僧籍剥奪を求めている問題で天台宗務庁(大津市)は7日、叡敦さんに対して2回目の聞き取り調査を行った。調査後に京都市内で記者会見した叡敦さんは、調査担当者から性被害への理解を欠いた不適切な発言が相次いだとし「閉ざされた宗教界の中では公平公正な調査ができないのではないか」と述べた。その上で天台宗側に第三者委員会の設置を求める上申書を提出したと明かした。
叡敦さんの代理人の佐藤倫子弁護士によると、天台宗側によるこの日の調査は2時間以上行われた。佐藤弁護士は「果たして正しい決着がつくのか難しいと思っている」と述べた。
また叡敦さん側は会見で、他宗派の尼僧を名乗る人物から「迷惑だから訴えを取り下げろ」などと脅迫ともとれる電話があったことも明かした。叡敦さんは「同じ女性からの心ない発言に非常に傷つき、今だに引きずっている。宗教の中での虐待をオープンにして、虐待のないようにしたい」と話した。
叡敦さんは今年1月、東京都内で記者会見し、被害を公表。平成21年に親族の80代の大僧正から紹介され住み込み始めた寺で、住職から「逆らうと地獄に落ちる」と脅され、最終的に寺を脱出するまで性暴力を受け続けたと告発した。
叡敦さんは、住職に加え、加害を助長したとして大僧正の僧籍奪を求め、天台宗に懲戒審理申告書を提出。天台宗は3月に叡敦さんや住職から聞き取りし、5月に寺へ立ち入り調査した。

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