自らの担当保護司を殺害か、6年前の大津市での強盗事件で保護観察中の35歳無職男を逮捕へ

大津市の住宅で5月、保護司の新庄博志さん(60)の遺体が見つかった事件で、新庄さんの殺害に関与した疑いが強まったとして、滋賀県警は8日にも近くに住む無職の男(35)を殺人容疑で逮捕する方針を固めた。捜査関係者への取材でわかった。男は6年前の強盗事件で保護観察付き執行猶予判決を受けて保護観察中で、新庄さんが担当の保護司だった。県警は詳しい経緯を調べる。
捜査関係者によると、男は5月24日頃、同市仰木の里東の新庄さん方で、新庄さんを刃物のようなもので殺害した疑いが持たれている。
新庄さんは26日夕、自宅1階のリビングで倒れているのを訪ねてきた親族に発見された。上半身に刃物で10か所以上刺されたような傷があり、24日夜に出血性ショックで死亡したとみられる。
県警は殺人容疑で新庄さんの周辺を捜査し、新庄さんの遺体発見後、男の所在が分からなくなっていることが判明。県警の警察官が28日深夜、同市内の路上で男を見つけて職務質問し、ナイフ1本を所持したとして銃刀法違反容疑で現行犯逮捕した。ナイフはリュックの中から見つかり、男は「山歩きのためだった」と供述したという。勾留期限は8日だった。
裁判資料などによると、男は2018年、同市内で強盗事件を起こし、逮捕、起訴された。19年6月に大津地裁で懲役3年、保護観察付き執行猶予5年の有罪判決を受け、翌7月に確定した。新庄さんは06年から保護司として更生保護活動に携わっていた。
法務省によると、保護司が保護観察対象だった人物に殺害された事件は1964年に起きたが、それ以降はないという。

小泉法相は7日の閣議後記者会見で「長く熱心に保護司として活動をしてきた方であり、大変心を痛めている。保護司が安全安心に活動できる環境をつくることが非常に重要だ」と述べた。

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