宮崎県延岡市の読谷山洋司市長(60)が勤務中の男性職員に、性的な言葉を使って文章の表現変更を指示していたことがわかった。男性職員は「不快に感じた」としており、市職員労働組合が3月に行った職場の実態調査でも「市長からハラスメントを受けた」との趣旨の回答を行ったという。読谷山市長は読売新聞の取材に発言を認めた上で「不快に思われるのであれば適切ではなく、申し訳ない」としている。
指示を受けたという管理職の男性職員によると、昨年の庁内協議で市長から、所属部署が作成した事業計画書に記載された文章の表現を改めるよう求められた。職員が意見を述べると、市長は男性器を指す俗語を使って「この文章には×××がない。覚悟がないんだよ」と変更を指示。別の資料に関しても後日、市長から同じ俗語を使った言葉で修正を指示されたという。
取材に職員は「市長がヒートアップしながら(俗語を)使うのを不快に感じた。覚悟を持って仕事をするのに男女は関係なく、セクハラだと思う」と話した。
読谷山市長は「(協議の場に)女性はおらず、比較的同世代だった。こういう言い方なら伝わるという意識がつい出てしまった」と話した。
市職労の実態調査は職場環境を把握するのが目的で、休暇取得の状況などをアンケート形式で尋ねた。ハラスメントに関する質問は非組合員の管理職を含む約900人を対象に行い、約610人から匿名で回答があった。
ハラスメントを受けたことが「ある」と答えたのは組合員では27%、管理職では39%だった。ハラスメントの内容(自由記述)に記された肩書などを市職労が分類したところ、誰から受けたかは「特別職から」が11人(組合員2人、管理職9人)、「上司から」が29人(すべて組合員)、「先輩・同僚・部下・後輩から」が5人(組合員4人、管理職1人)、「市民から」が5人(組合員4人、管理職1人)だった。市職労は回答に記された特別職の具体的な肩書や、ハラスメントの内容は明らかにしていない。