北海道でホタテ漁中の漁師、マンモスゾウの臼歯の化石発見…国内で15個目

北海道別海町郷土資料館は、同町の野付半島沖でマンモスゾウの臼歯の化石が発見されたと発表した。国内では15個目、同半島沖では2003年以来4個目となる。同館で5日から常設展示されている。
同館の石渡一人副館長によると、4月26日、沖合でホタテ漁をしていた同町の漁業安達隼人さん(42)が、野付半島ネイチャーセンター近くの海中で発見した。
同館の依頼で、滋賀県立琵琶湖博物館の高橋啓一・名誉館長が鑑定したところ、マンモスゾウの上あご右側の臼歯と判明した。草などをすりつぶすようにかむ面の長さは12センチ、幅は6・8センチで、厚さは7・6センチ。年代測定の結果は7月中には出る。
野付半島沖では1981年以降、ウニやホタテの漁の際に漁師がマンモスゾウの臼歯化石を発見している。大陸から、かつて陸続きだったサハリンなどを経て北海道に南下してきたとみられる。
マンモスゾウが生息していたのは約40万年前から4000年前までとされる。4日にオンラインで記者会見した高橋さんは、「今回発見された臼歯も年代が判明すれば、北海道にいつからいつまで生息していたかなどが新たに分かるかもしれない。太古の時代の地元に、マンモスゾウが歩いていたという不思議さを感じてほしい」と話している。

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