保護司の男性が殺害された事件。逮捕された男の人物像が、徐々に見えてきました。 殺人の疑いで6月10日に送検されたのは、滋賀県大津市の無職・飯塚絋平容疑者(35)です。警察によりますと、飯塚容疑者は5月、近くに住む保護司の新庄博志さん(60)を刃物のようなもので刺すなどして殺害した疑いが持たれています。 飯塚容疑者の人物像や新庄さんとの接点が見えてきました。飯塚容疑者は5年前、コンビニから現金を奪った強盗の罪で懲役3年・保護観察付き執行猶予5年の判決を受けていました。 そんな飯塚容疑者の立ち直り支援にあたったのが保護司の新庄さんでした。5年前から支援にあたり、今年4月以降、飯塚容疑者と自宅で3回面談を重ねていて、死亡した5月24日夜も面談予定だったということです。 逮捕された飯塚容疑者の性格について関係者はこう話します。 (飯塚容疑者を知る人)「人とあまりコミュニケーションをとらはれへん。急にキレそうな感じですね。ずっと黙ってはるけど。別に言い返してくるわけでもないし、かといって一生懸命に人の話を聞いているわけでもなさそうだし」 取材を進めると、飯塚容疑者のものとみられるSNSが見つかりました。そこには、保護司の新庄さんや保護観察の制度について不満をほのめかす内容が投稿されていました。 【飯塚容疑者のものとみられるSNSより】 『今日は僕の家に保護司がく~るくる』 『保護観察とか~。全然保護しない』 『やっぱり保護って言葉は要注意ワード』 さらに、勤務先への不満も。 『私への苛烈極まるパワハラ足る叱責に恐怖するあまり店に向かうのは困難です』 また、死亡した新庄さんは飯塚容疑者の仕事が続かないことを、周囲に漏らしていました。 (更生保護団体の関係者)「『いま、自分が担当している対象者の仕事先を紹介してもらえないか』と相談を受けました。ところが仕事を始めて2か月くらいの時に辞めて帰ってきよったと。なんでやめたのかとお聞きすると、『自分に対する正当な評価をしてもらえない』と」 保護観察中の人物が担当の保護司を殺害するという前例のない事件に動揺が広がっています。 (現役保護司の男性)「今もっている人は人間関係できているんで大丈夫ですけど、今後新しく保護観察をと依頼される時にはやはりちょっと怖いというか。僕が良くても家族が止めたりするんじゃないかと思っています」 事件を受けて大津保護観察所は、「2人の間にトラブルはなかった」とする一方、「県内の保護司の不安を取り除くため聞き取りを行いたい」とコメントしています。 警察の調べに対して飯塚容疑者は「私はやっていませんし、何も答えたくありません」と容疑を否認しているということです。