自民党の東京都連は10日、東京都知事選挙をめぐり、立候補の意向を固めている小池百合子知事を支援する方針を確認した。支援の方法としては、選挙期間中に政治活動が認められる「確認団体」を設立することも検討している。「確認団体」とは一体どんなもので、選挙の際に何ができるのか?解説する。
東京都知事選挙をめぐり、自民党は政党色・党派色を薄めた形で現職の小池知事を支援するため、小池知事を推薦する形ではなく、「確認団体」というものを設立し、団体を通じて小池知事を支援することを検討している。
“裏金問題”を引きずる自民党に対しては、小池知事から推薦依頼が寄せられない可能性もあるからだ。
「確認団体」とは、候補者本人ではないものの、選挙運動期間中に特定の政治活動をすることが認められる政治団体のことを指す。
公職選挙法で、今回のような都道府県知事選挙に加え、市長選挙や東京23区の区長選挙などで「確認団体」を設立することが認められている。
市長選挙や区長選挙の際に、候補者の名前は書いてないけれど、誰だか分かるシルエットが描かれたポスターが街中に貼られているのを見た方もいると思う。
実はこれが「確認団体」に認められている選挙期間中の政治活動の一つなのだ。
他にも「初の女性市長を!」とか「最年少区長を誕生させよう」など、どの候補を支援しているかは分かるが、候補者の名前や写真は使われてない文字だけのポスターを見た方もいると思う。
「確認団体」が掲示するポスターには候補者本人の名前や顔写真・似顔絵などは掲載できないため、シルエットやシンボルカラーでどの候補を支援しているかを分かるようにしてあるのだ。
「確認団体」の名称に候補者の名前を入れることはできないため「○○市を新しく刷新する会」、「女性区長を誕生させる●●区民の会」などの名称が付けられる。
「確認団体」は選挙期間中に候補者とは別に、一定の制限のもと、選挙区内にポスターを掲示したり、ビラを配布したりすることもできる。もちろん、このビラにも候補者の名前や顔写真を使うことはできない。さらに、選挙カーのような街宣車を使用することも認められる。
「確認団体」はいわば候補者の別動隊とし政治活動ができる団体で、実は多くの首長選挙などで設立され、利用されている。
今回の東京都知事選挙で自民党が「確認団体」の設立を検討しているのは、政党色・党派色を薄めて「ステルス的」に小池氏を支援したいためだとみられている。
また、「確認団体」を使えば小池氏から推薦依頼が寄せられず、推薦が出せない場合でも自民党として小池氏を支援することができる。
野党側からは「自民隠し」などの批判が出ることも予想される中、苦肉の策とも言える「確認団体」を通じての支援は実際に行われるのか。
今月20日の告示を前に、東京都知事選は早くも神経戦が始まっている。