転落死した女子高校生は「ムードメーカーのような存在」…容疑者の21歳女について近所の住民は「愛嬌のある子」

北海道留萌市の女子高校生、17歳の少女が、自宅から約50キロ離れた旭川市の 神居古潭 地区の神居大橋から石狩川に転落させられ、溺死したとされる事件。道警は12日、少女に対する殺人容疑で旭川市の無職内田 梨瑚 容疑者(21)ら2人を逮捕した。旭川有数の景勝地で、何が起きたのか。
12日夕、神居大橋には花を手向ける人の姿があった。「色んな人と仲が良く、優しい子だった」。少女と同じ高校で、事件を知って訪れたという知人男性(18)は肩を落とした。男性によると、少女は、ムードメーカーのような存在だった。今年3月にはSNSでやりとりをしたといい、「どうしてこんなことになってしまったのか……」と語った。
道警によると、事件が起きたのは4月19日未明。内田容疑者は19歳の女とともに、少女を神居大橋の上から転落させ、殺害した疑いがある。少女は前日18日の夜から内田容疑者ら男女4人に車で監禁された末、橋まで連れてこられたという。
事件の発端はSNS上のトラブルとされ、少女とやりとりをしていたのが内田容疑者だった。容疑者の自宅近くに住む男性は「 愛嬌 のある子」と話した。
旭川市や旭川観光コンベンション協会によると、神居古潭は「カムイ(神)コタン(集落)」として古くからアイヌの人々にとっての聖地とされてきた。
中でも、神居大橋は景色が楽しめる人気スポットの一つだ。昼間は観光客が訪れるが、夜になると人けがなくなる。
日中に夫婦で訪れた室蘭市の50歳代男性は「こんなところで悲惨な事件が起きるなんて信じられない。被害者が本当にかわいそう」と話した。
旭川市などによると、神居大橋付近の石狩川の水深は、場所によっては10メートルを超えるという。事件当時は雪解け水で水量が増していたとみられる。
SNS発端の事件、後を絶たず

SNSをきっかけに犯罪に巻き込まれるケースは、全国で後を絶たない。警察庁によると、昨年1年間で被害に遭った18歳未満の子どもは1665人。このうち高校生は713人、中学生が748人で、全体の9割近くを占める。
広島県呉市で2013年7月、16歳の少女の遺体が見つかった事件では、男女7人が強盗殺人や監禁などの容疑で逮捕された。このうちの1人と少女がLINEでトラブルになり、集団暴行を受けて殺害されたとみられている。
北海道内でも22年10月、女子大生がツイッター(現・X)で知り合った男に殺害される事件が発生。女子大生が「殺してください」と投稿し、男が「いいね」を押したことが事件の発端だったという。
男は嘱託殺人や死体損壊の罪などに問われ、1審・札幌地裁は23年9月、「(2人の)人間関係は希薄で殺害すべき理由はどこにもない」として懲役6年の実刑判決を言い渡した。その後の2審・札幌高裁と最高裁でも、1審判決が支持されている。

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