「逮捕は待つべき」と進言の検事が法廷に 進言を受けた主任検事は「記憶にはない」と証言 プレサンス社元社長の国賠訴訟

「逮捕は待つべき」と進言した検事と、進言を受けた検事が証言台に立ちました。 「プレサンスコーポレーション」の元社長・山岸忍さん(61)は2019年、学校法人の土地取引などをめぐる巨額横領事件に関与したとして大阪地検特捜部に逮捕・起訴されましたが、2021年に無罪が確定。捜査の違法性を訴え、国に賠償を求める裁判を起こしています。 6月14日は、学校法人の元理事の取り調べを担当した当時の特捜部検事が証人として出廷しました。山岸さん側はこの検事が「山岸さんの関与があるのなら、それを言わないとあなたの情状はかなり悪くなる」などと誘導的な取り調べを行い、「山岸さんが関与した」という虚偽の供述を引き出したと主張しています。 【14日の法廷】 (山岸さんの代理人弁護士)「山岸さんの関与を供述すれば罪が軽くなると元理事が受け止めるとは考えなかった?」 (当時の担当検事)「そうしたことがないように『事実を話してください』と言っていました。元理事の考えることは私にはわからないですよね?」 この元理事は山岸さんが逮捕された日の午後の取り調べで供述を撤回したいと強く申し出ていました。検事は証拠関係が変わってくると考え、主任検事に「逮捕は待った方がいい」と電話で進言したといいます。 ところがその日の夕方に逮捕状は執行され、その後、山岸さんは起訴されました。検事はそれ以上は進言しなかったといいます。 【14日の法廷】 (当時の担当検事)「私はすべての証拠を見ていない。(起訴は)すべてを把握している主任検事の判断だったので」 一方で、逮捕は待つべきだと進言を受けた主任検事は、次のように証言しました。 【14日の法廷】 (当時の主任検事)「記憶にはないです。検事がそう言うのであれば、そうだと思います。検討したが、撤回前の供述のほうが信用性が高いと判断しました」 最終的に、「山岸さんが関与した」とする元理事の供述は信用性が低いとして山岸さんの刑事裁判で証拠採用されませんでした。 当時の主任検事への尋問は6月18日にも行われます。

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