小池都知事は私を「恫喝」した…元都ファ都議が明かす「小池氏が自民党・公明党にすり寄った」プロセス

※本稿は、杉山大志ほか『SDGsエコバブルの終焉』(宝島社)の原文を元に一部を再編集したものです。
再エネ利権や環境破壊問題などで露呈した小池知事の本性が今、完全に暴かれようとしています。
2024年4月に発売された『文藝春秋』5月号によって、小池知事の学歴詐称問題が再燃したのです。
小池百合子氏の環境大臣時代には環境官僚として、都知事になってからは東京都特別顧問→都民ファーストの会事務総長として小池知事を支えてこられた弁護士でもある小島敏郎氏が勇気ある告発をされたのでした。
4年前の都知事選直前の2020年6月8日、在日エジプト大使館のフェイスブックページで、なぜか突如として日本の都知事の学歴を証明する“声明文”が、コレマタなぜか日本語と英語だけ(肝心のアラビア語なし)で公表されました。
結果は次の通りです。
「その効果は絶大だった。新聞・テレビはこの声明を一斉に報じ、学歴詐称疑惑を追及する声は一気に沈静化。都議会では、自民党、共産党、上田令子都議が『小池都知事のカイロ大学卒業証書・卒業証明書の提出に関する決議案』を提出したものの、間もなく自民党と共産党が提出者から離脱(上田注:結局日和る共産党は不確かな野党)。決議案は否決された」(文春オンライン「小池都知事『元側近』の爆弾告発『私は学歴詐称疑惑の“隠蔽工作”に手を貸してしまった』」より)
このように、エジプト政府相手にひるんだのか、大手メディアも都議会議員も、私以外の全員が一気にトーンダウンしてしまいました。
それでもこの4年間挫けず、バカにされようと嫌がらせされようと私が質問を継続してきたのは、私の中に虚偽を看過できないという強い信念と秘めたる根拠があったからです。
その手紙はペンネームで届きました。
ほぼほぼ、今回の『文藝春秋』記事と重なる内容で「声明文」にかかる謎と疑惑を紐解くものでありました。
その中に、『文藝春秋』記事でも触れていた小池知事から、声明文作成に携わった人間に送付されたらしいメールの写しがありました。
驚くことに、『文藝春秋』記事104ページ下段と同一文でありました。
公職選挙法はもちろん、行政事情に精通されている郷原弁護士と、エジプト・カイロの大学事情を詳しく知る黒木氏の記者会見がよほどの脅威だったことが読み取れました。
その他いくつかの、匿名ではありながら勇気ある情報提供も寄せられていましたが、過去に堀江氏メール問題(註:2006年の第164回通常国会において、民主党所属の衆議院議員永田寿康氏が、ライブドア事件に絡んで堀江貴文氏と自民党幹事長・武部勤氏の間に不当な金銭の授受があったと追及した政治騒動。当時、粉飾決算事件の渦中にあった元ライブドア社長の堀江氏が、2005年の衆院選出馬に関連して武部にコンサルタントという名目で多額の金銭を送ったという内容であったが、疑惑の証拠とされた堀江氏によるものとされた電子メールが捏造であったことが判明し、永田は議員辞職し、民主党執行部が総退陣に追い込まれた事件)などもありましたから、安易な公表は避けて胸の内にとどめておりました。
もともとのんきな性分でありますが、これがあったからこそ、飄々と堂々と(笑)小池知事学歴問題追及を続けてこられたのかもしれません。
虚飾で塗り固められたカイロ大卒業伝説を崩す鍵。
それは、小池知事が声明文の存在を知っていたのか、公の場で質すことである、と確信しました。
私は2022年12月8日、都議会第4回定例会一般質問で、小池知事にこう問いました。
「卒業のエビデンスとなった声明文ですが、2020年6月9日に突然公表されました。
知事は、エジプト政府、カイロ大関係者らに作成依頼はされていませんよね? また、公表前に目にしたこともないですよね? 確認します」
結果、小池知事は答弁から逃げ出しました。
通常なら、卒業を証明するのは本人であって他国に依頼するわけがありませんから、自信をもって「依頼などするわけがない!」と言えばよかったのですが、ダンマリを決め込んだのです。
つまり、「答えなかったこと」「答えられなかったこと」が答えだったのです。
知っていたとは口が腐ってもいえない。しかし、知らないとウッカリ答えて、後で証拠が出てきたら困る。だから答弁拒否をした――私の確信は揺るぎないものとなりました。
そしてとうとう、彼女が一番恐れたであろう証言が出てくる日を迎えたのです。
2020年6月3日、一般質問。
4年前、知事選直前に、カイロ大生なら必ず読み書きできるはずのフスハー(アラビア語の文語)で答えよと迫ったところ、「フスハーは文語、口語はアンミーヤ、ここでフスハーで話しても誰も分からない」とアラビア語を話しませんでした。
今思えば、これが相当こたえて「声明文」作成に至ったのではないか……と思料しております(笑)。
2022年3月25日、一般質問。
「(前回フスハーで答えなかったことから)ではアンミーヤ(同口語)で答えてください」とさらに詰め寄ったところ、答弁拒否をして局長答弁に。
2022年12月8日、一般質問。
「自称首席卒なのに、なぜカイロ大講演が日本語なのですか?」 「声明文ですが、知事はエジプト政府、カイロ大関係者等に作成依頼はされていませんよね?」(詳細前述)
またもや答弁拒否し、局長に答えさせる始末。
2024年2月29日、一般質問。
「小池氏の学籍番号が数字で書き込まれていなければならないはずだが、それがない」と指摘されてきた件につき「学籍番号はいくつか」と確認するも答弁拒否。
再質問で「百合子さんは卒業していない」と実名告白をしたカイロ大時代の同居人・北原百代さんに会い、私が直接聞いてきたことが虚偽なのか、小池知事が嘘をついてるのか質したところ、これについても答弁から逃げ出しました。
学歴問題にかかわらず、新エネ政策も含め、全都議会議員の中で私への答弁拒否率はダントツで高くなっております。
「不都合な事実」について尋ねているということの証左でありましょう。
小池知事の一期目は、私を含めた都内首都圏の無所属の県議・区議・市議約50名が支えました。
打倒自民党ドン政治を願い、その陣頭指揮は私が代表を務める地域政党・自由を守る会が執ったのでした。
「小池劇場」をつくったのは国政政党に属さない改革派地方議員と改革を望む都民でしたが、大勝を果たした途端、小池知事は側近であった野田数氏(東京都の外郭団体現・東京水道社長)を通じて再三再四にわたって私を恫喝し、結果、自由を守る会解党を強要したのです(その後、再結成)。
お世話になった人でもその高いハイヒールで平気で踏みにじる、冷血な人間性。
それをもはや隠そうともせず、小池知事はやがて都民の期待を裏切り、ドン政治の温床であった自民党、国政与党公明党に急接近し、「東京大改革」は変質していったのであります。
前項の2月29日一般質問で学歴問題を質す冒頭、私は「つきは泥棒の始まりと、私は父に厳しく言われ育った」と切り出しました。
当時20歳そこそこの、野心家の女の子がついた「カイロ大首席卒」という一世一代の「嘘」――。それがここまで権力の階段を上がらせ、日本のみならずエジプトまで巻き込む学歴詐称疑惑国際問題に発展し、そう遠くない将来、政治生命の終焉を迎えるパズルのワンピースになるとしたら……なんとも皮肉なことではないでしょうか。
小池百合子氏においては、自らの来し方を振り返り、潔く政治の世界から去っていただきたい。
それが何よりも、太陽光パネル義務化により生じる災害や経済損失、国防を脅かす風力発電投資、学歴をエジプトに証明してもらう外交問題などのリスクから都民を守り、都民憩いの公園と樹木を守る「都民ファースト」で「サステナブル」で「SDGs」な「東京大改革」を実現するのですから。
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(地域政党自由を守る会代表、東京都議会議員 上田 令子)

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