令和5年9月、いじめ防止対策推進法の「重大事態」に認定された滋賀県立石部高校(湖南市)野球部のいじめで、被害生徒(3年)が1年時から加害生徒(中心の3人)にベルトで背中や足をたたかれる暴行を受けたと訴えていることが9日、わかった。このいじめでは、弁護士や臨床心理士など外部委員を含めた調査委員の最終報告書がまとまっているが、暴行は把握できていなかった。同校の遠藤彰校長は、「事実かどうかも含めて改めて調査し、県に報告して指導を仰ぐ」としている。
被害生徒とその家族によると、ベルトによる暴行は入部後の1年時から始まった。試合や練習で被害生徒がミスをすると部室で、背中や足を「割と強くベルトでたたかれた」という。このベルトの暴行は2年になっても続いていた。
昨年9月のいじめ発覚後も加害生徒からのベルトによる暴行を家族や学校に伝えなかったことについて、被害生徒は、「補欠でもいいから野球部を辞めたくなかった。だから、我慢していた」と話している。
報告書によると、昨年8月、硬式野球初心者の被害生徒が試合後にミスを部員から責められ、以降、学校や部活を休むことが増えた。同9月5日、朝から行方不明となり、同日夕、野球部顧問に「いなくなりたい」とラインで連絡。同日午後5時半ごろ、自宅マンションの6階で見つかり、聞き取り調査の結果、いじめが発覚した。
その後の調査で、被害生徒へのいじめは1年時から始まり、昨年9月12日にいじめ防止対策推進法の「重大事態」に認定した後も続いていたことがわかっている。
今回の暴行発覚について県教委は、「新たな事実が判明すれば学校から報告があるだろう。ただ、いずれにしても、個別のいじめ事案について公表はできない」としている。