日本冠動脈外科学会は10日、厚生労働省で記者会見し、心臓手術で使われている米ジョンソン・エンド・ジョンソン製の超音波メスが販売終了になったことについて、「健康被害につながる懸念があり、患者への不利益が非常に大きい」と訴えた。国内メーカーが協力し、早急に代替機器の開発に取り組む必要があるとしている。
製品は「ハーモニックシナジー」。学会によると、国内約580施設で導入され、2020年には約1万8000件の冠動脈バイパス手術のうち1万件以上で使われた。今年4月、販売終了が急きょ通知されたため、医療機関は電気メスによる手術に切り替えるなどしているが、合併症のリスクが高まる恐れがあるという。