蓮舫氏の惨敗で立民代表選に異変 「泉氏なら沈没」小沢一郎氏が〝見慣れた顔〟刷新に奔走 「野党共闘路線」は変わらずか

東京都知事選(7日投開票)の結果は、次期衆院選を見据える与野党に大きな影響を与えそうだ。特に、立憲民主党は、共産党とともに支援した前参院議員の蓮舫氏が、3選を果たした小池百合子都知事(約291万票)の半分にも満たない128万票しか取れず、「3位」と惨敗した。このため、選挙で共闘する「立憲共産党路線」や、9月に任期満了を迎える泉健太代表に対し、疑問や不満が噴出している。岸田文雄内閣は派閥裏金事件や稚拙なLGBT法施行などで支持率が「危険水域」に沈み込み、自民党内では「岸田降ろし」がうごめいている。野党第一党でも、党内政局が動き出した。

「(泉代表や執行部は)仲間内さえまとめきれない」「良くも悪くもピシっとした自己主張、信念を持たなければいけない」「野党の共闘態勢を構築できる態勢に変えなければ駄目だ。泉氏なら沈没じゃねぇか」
立憲民主党の小沢一郎衆院議員は9日、自身が率いるグループ会合後、記者団にこう語った。次期衆院選での政権交代に向けて、泉氏に退陣を求めたかたちだ。具体的な候補については「まだ白紙だ」と説明した。
民進党の代表も務めた蓮舫氏が「小池都政をリセットする」と豪語して都知事選に挑戦しながら、小池氏はおろか、前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏にも37万票も引き離された。立憲民主党にとって、今回の敗北のダメージは深刻だ。
前面に立って応援した枝野幸男前代表はX(旧ツイッター)で、「蓮舫さんを押し上げることができず、申し訳なく、残念」「結果を謙虚かつ冷静に受け止めて教訓とし、次に生かして参ります」と敗戦の弁を述べたが、茫然(ぼうぜん)自失といえる声もある。
毎日新聞によると、辻元清美代表代行は投開票翌日(8日)、都内で記者団の取材に応じ、「政党としても私個人としても、やっぱりもう古くなったのかな、もう通用せえへんのかなとか、ちょっと思った」と漏らしたという。
立憲民主党と共産党の「共闘」を問題視する意見もある。共産党が党綱領に「日米安保廃棄」「自衛隊解消」を掲げることへの抵抗だ。
ある立憲民主党議員は「わが国は、覇権主義を強める中国、核・ミサイル開発にひた走る北朝鮮、ウクライナに侵攻したロシアに囲まれている。選挙の票目当ての『立憲共産党』路線は、国民の生命と安全をないがしろにする言語道断の判断だ」と眉をひそめる。
ちなみに、泉代表は都知事選について、「もう蓮舫さん離党しましたからね。立憲民主党の人でもなくなった」(ニッポン放送、6月13日)などと、距離を置くような発言もしていた。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする